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房総・伊予ヶ岳〜富山 青春18きっぷ3回目 [東京での登山と日常]

伊予ガ岳を振り返る

 青春18きっぷ3回目は房総半島南部の「伊予ヶ岳」へ行くことにしました。「房総のマッターホルン」「房総で唯一の岳のつく山」などのうたい文句で知られ関東百名山でもあります。
 先週金曜日に軽いぎっくり腰となったことや、左ひざの違和感もあり、低山で身体の調子を確かめたかったのと、ついでに房総半島を一周しようと企てました。

 朝一番の京葉線から蘇我で君津行きの内房線に乗り換え、木更津でさらに乗り換えて岩井駅に到着。知りませんでしたが南総里見八犬伝のいわれの土地なのですね。子供のころNHKの人形劇が人気でした。あとで調べてみよう、と思っていたら、いい具合に接続している街のコミュニティバスが駅前で待っています。一般客がのべ2人、登山客は5人でした。私を含め3人が「天神郷」で下車しました。あとの2人はどこへ行くのかな?

天神郷から仰ぐ伊予ヶ岳南峰

 バスを降りて見上げると伊予ヶ岳南峰の険しい山頂部がありました。道はよく整備されています。左膝のことがあるのであまりペースを上げずゆっくりゆっくりを心がけます。

今年初めてスミレを見た

 東屋に着いて左を見上げるとロープがある岩場になっていて、看板がいくつも立って注意を促していました。2023年4月に滑落死亡事故が起きたそうです。

注意喚起!

 実際に登ってみますと岩場自体は三点支持を心がければ問題ありませんが、急なザレ場が滑って、気を緩めるとズルっといきそうです。

伊予ヶ岳の岩場

 登り詰めるとあっさり南峰の山頂に着きました。船の先端のように鎖による柵が岩場につけられていて先っぽまで行くことができます。大台ケ原の大蛇のようです。さすがに展望はよくて房総半島の山々を見渡すことができました。この日は空気がもやって見えませんでしたが、丹沢や三浦半島もみえるようです。

伊予ヶ岳 山頂

伊予ヶ岳の南峰 北峰から見る

 さらに北峰も登って岩場回避ルートを下山ルートにします。桜広場、東屋を経て分岐を富山への道を進みました。

ヒメツルニチニチソウ

真門の集落から見る富山

 集落のあるところまで降りるとあとはほとんどアスファルト道です。鳥がさえずり、菜種など様々な花が咲いててとてものどかな里山の風景が続きます。道中に手作りの標識があるのですが、富山に「とみさん」と振り仮名がふってあります。地元の人の「『とみやま』ではない」こだわりなんでしょうね。

菜の花がきれいだ

富山の南峰の展望台

 富山は展望台のある北峰には現天皇陛下が雅子さんと連れ立って登ったそうです。南峰へ行く途中に「愛の鐘」も設置されていて地元の人の喜びぶりが伝わってきました。

富山からの展望

 下山路には福満寺コースを選び降りていきますと、12時ころ福満寺に到着。膝のこともあるし12時23分の電車には間に合わないなと思いながら、ダメもとで駅を目指すと駅舎前でホームに入ってくる電車を見たら我慢ができなくなり走ってしまいました。乗客にも「頑張って」と励ましてもらい(はずかし…)無事乗れました。ふ〜っ。
 さあ、ここから後半戦です。

おらが丼

 内房線と外房線の境でもある安房鴨川(あわかもがわ)で降りて昼食をとることにします。迷ったあげく「藤よし」という海鮮料理のお店へ。当初は地魚の回転寿司を考えていたのですが、最近友人が生魚を食して救急車で運ばれたと聞いたばかりだったのでつい敬遠し、地元名物と触れ込みの「おらが丼」というのを食べました。おいしかったですが、あまり感動はありません。やっぱり生魚だったかな、と少し後悔。

安房鴨川の海岸の人たち

 海辺へ出てみると、この日は強風で白波がたっていましたが波間にサーファーの姿が見えました。砂浜の砂がとても細かくて柔らかい感触でした。そういえば山から海を見下ろしたことはあっても、海岸までおりたのは久しぶりなような気がします。そういえば伊予ヶ岳の伊予は愛媛県の石鎚山の別名「伊予の大岳」からとのこと。黒潮文化の影響なんてちょっとロマンを感じます。

安房鴨川サーファー

 この時点で15時ごろです。御宿(おんじゅく)へ行って童謡「月の砂漠」の砂浜に行こうかとも思っていましたが、「もういいか」と思えたのでそこから帰ることにしました。上総一ノ宮(かずさいちのみや)で乗り換えて蘇我へ戻り京葉線で東京へ戻りました。さすがにうつらうつらしてしまいました。

 膝は両足で登っている限りは問題なく、下山後も痛みはないので、まあ大丈夫でしょう。房総半島一周はさほど苦にはなりませんでした。途中途中で下車して(登山や昼食、乗り継ぎ)がいい間隔であったからかもしれません。
 太平洋を一望し、里山の風景を堪能しました。房総半島は空が広いですね。

■関連エントリ
青春18きっぷ2回目 熱海で朝風呂♪ 青春18きっぷ2回目

青春18きっぷ1回目 入笠山でお手軽雪山 青春18きっぷで行く

■伊予ガ岳〜富山〜JR岩井駅
天神郷(8:21/8:50)伊予ガ岳南峰(9:05/11:00)富山北峰(11:15/12:23)JR岩井駅


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熱海で朝風呂♪ 青春18きっぷ2回目 [東京での登山と日常]

 2月の週末に連続してスキーに行ってからどうも膝の調子が悪いようです。そこで山登りは控えることにします。かといって、家でゆっくりするわけにはいきません。青春18きっぷの残回数があるので、「どこかに行かなかればならない」のです…。
 東京から日帰り旅なら熱海が思い浮かびます。普通電車で2時間弱。乗車時間も手ごろだし、行ったことがありません。なんとなく「朝風呂」が入りたくなって探したところ、午前8時から開いている公共浴場があるようです。ということで、出発です。

 熱海に着いたのは7時40分。伊東への電車に乗り換えて来宮(きのみや)で下車します。狭いくねくねした道を海側に下っていくと「ふふ熱海」とか「熱海金城館」とか高そうな宿泊施設を横目に住宅街の中に入っていきますと、ありました!公共浴場「山田湯」です。スマホがなければたどりつかないですね、普通に。

山田湯 アパートのような外観

 アパートのような外観です。男湯の扉をあけてお代金を女将さんに支払います。300円。安い。2~3人入ればいっぱいな湯舟で洗い場は2つ。とてもシンプルです。

山田湯

 富士山と水車のタイル絵を湯舟につかりながらぼーっと見上げていると、土曜日の朝早くに熱海で朝風呂入っていることがなんとも不思議な気分です。男湯は私だけしかいませんでしたが、女湯は地元の若い人、お年寄りの会話が漏れ聞こえてきて和やかです。
 熱海でも公共浴場は徐々に少なくなっているようですが、一日でも長く続けてほしいものです。

 朝風呂あがりでさっぱりしたところで、熱海の観光です。まずは近くの起雲閣(きうんかく)へ。

起雲閣

 土地の有力者が作った建物と庭を旅館に仕立て、今は熱海市が管理する文化財です。和洋の部屋が贅を尽くして作られたホンモノです。本当にこの頃の贅沢は桁違いですね。
 旅館時代は数々の文豪も訪れていました。あまり予備知識なく訪れたのですが、入水自殺する直前に太宰治が投宿していたそうです。
 ほかにも志賀直哉、谷崎潤一郎、山本有三の対談がここで行われたそうで、ビッグ3の豪華すぎる写真もパネル展示されていました。関東は作家さんたちの出没密度が高いですね。

文豪たち

 次に訪れたのはベタベタですが、やっぱり寛一お宮の金色夜叉です。銅像は1985年建立とわりと新しいものですが、私の幼い自分は漫才やコントなどでも、2人のやり取りはわりと頻繁に取り上げられていたような気もするのですが、女性を足蹴にするこの銅像をみるとさすがに時代を感じます。これは今アウトでしょう…

貫一お宮の像

 お昼ご飯は海鮮ものにするかどうか迷いましたが、11時過ぎですでに行列ができる勢いに気おされ、熱海に多いレトロ喫茶で軽食をとることにします。
 最初に「ボンネット」を訪れますがお客さんでいっぱいなようで、次に「田園」へ行きました。扉をあけるとなんというかとても抽象的なオブジェが目に飛び込んできます。

喫茶「田園」

「田園」のミートソーススパゲティ

 ソファに腰を下ろしてミートソーススパゲティとアメリカンを頼みます。オブジェの周りは池になっていて大きな鯉が泳いでいます。内装もとっても趣向がこらされています。
 文庫本を読んだりして落ち着くんですよねぇ。ミートソースも味わい深かったです。

ときわぎのきび餅

 お土産に交差点角で存在感のある「ときわぎ」さんで、きび餅8個入550円を買いました。めちゃ柔らかくて美味でした。

 この時点で12時ごろです。熱海はこれくらいにして小田原に展開することにします。歴史があまりちゃんと頭に入っていないのですが、戦国時代の北条氏というのが私には今一つ理解しきれていないのです。恥ずかしながら「鎌倉時代の北条氏とは違うのかな?」レベルなのです。

小田原城

 天守閣は復興で再建されたもので、中には私のような歴史に疎い人のためと言わんばかりの「小田原北条氏」について解説が丁寧にされていました。難攻不落の小田原城ではありましたが、想定以上の豊臣秀吉の大軍と大量の兵糧、そして兵法に降伏せざるを得なかったのですね。勉強なります。
 感心したのが地元らしき家族連れが、わが町の歴史を親子で学ぶ姿が多くみられたことです。小田原というのはなかなか地元に愛着のある意識の高い人が多いなあと感じた次第です。

丹沢の山々が見えた

 16時4分の湘南新宿ライン、大船乗り換えで品川に17時8分着。小田原でのお土産は揚げたての蒲鉾を「すぎせい」さんで買って帰りました。162円×3枚です。家に帰ってからチンして食べましたが、お酒のあてにぴったしでした。

すずせいの揚げたてのかまぼこ

 電車に乗っている間はそうでもないのですが、やっぱり疲れますね。でも青春18きっぷがあったから、熱海に行く気になったので、その点では感謝です。
 世の中には知っているようで、まだまだ知らない場所があるのだなあと実感した次第です。


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入笠山でお手軽雪山 青春18きっぷで行く [東京での登山と日常]

 行ってみたいけど、高い交通費を払うのがちょっと惜しいと思う場所があります。そんなとき「青春18きっぷ」を使えば、お財布にも優しいのではないかと思いつきました。一日あたりに換算すると2410円で普通や快速を乗り放題です。しかし長時間の乗車で体力的にダメージを受ける恐れがあります。5回使いきれるだろうか?
 まあ考えていてもなんですので、とにかく切符を買ってみることにしました。

 1回目は中央本線に乗って、お手軽雪山として人気の入笠山(にゅうかさやま)へ行くことにしました。まだ暗いうちに出発して6時35分八王子発の松本行きの普通電車に乗り換え。幸い座れたのであとは身を任せます。トンネルを抜けて勝沼ブドウ園になるころには南アルプスの山々が左手車窓に見えました。甲府、韮崎、小淵沢を通り過ぎて9時10分富士見駅で下車。待ち構えたスキー場のシャトルバス(9時15分と10時の2便ある)に乗ってスキー場へ10分ほど。スキーヤーやボーダーがたくさんいましたが、登山者はゴンドラ往復の切符を買います。利用料は2000円でモンベルカードなら200円引きですが、いつも忘れてしまうんですよね。アプリにしたほうがいいかもといつも思うのですが。

 ゴンドラを降りると一気に1970m。さっそく森林の中のトレースをたどりだしましたが、寒さが身に染みる。メリノウールの下着、オクタのフリース、ソフトシェルを着ていたのですが、さらに雨具を着て、手袋の上にはオーバー手袋を着用してひとごこちつけました。こんなに寒いとは意外。それともまた寒さに弱くなったのか…

入笠湿原

 森林からパーッと開けた場所に出ました。入笠湿原です。スズランの自生地がみられるそうですが、当然今は雪の下です。複数の登山グループの楽しそうな声が広い雪原に響きます。林道にあがって少し行くと左手に大きな真っ白な斜面が。ここは花畑と呼ばれているそうです。
 スノーシューやアイゼンを付けている人がほとんどで、私のようにツボ足で登っている人はみかけません。チェーンスパイクをつけてもよかったのですが面倒くさくて…

入笠山の花畑

 岩場コースをしばらく行くと頂上にあっけなく着きました。写真撮影のため手持ちの山名標識もあって、写真を撮るためのサービスがいたせりつくせりです。
 眺望はさすがによくて、まず八ヶ岳がとても近い。八ヶ岳からいつもスキー場が見えていたけど、あれは入笠山だったのだなあと気が付いた。

入笠山頂上はたくさんの人

八ヶ岳連峰

南アルプス 甲斐駒ケ岳、鋸岳、間ノ岳、仙丈ヶ岳

 それと甲斐駒ヶ岳、鋸岳、間ノ岳、仙丈ケ岳の南アルプスと富士山。中央線からの眺めでも思いましたが、山梨側からは甲斐駒の存在感がすごいです。かつて登った黄連谷が山頂までまっすぐに伸びています。美ヶ原と車山。北ア、中アは雲で稜線は見えませんでしたが、十分でしょう。

ヒュッテ入笠(元マナスル山荘)の行列

 パンをぱくぱく食べたら下山にとりかかります。帰りは旧マナスル山荘のヒュッテ入笠に寄ってみます。名物のビーフシチューは最近メニューから姿を消したとのこと。あまりに人気が過熱してお店側も対応しきれなくなったようです。それでもこの日は行列ができていました。様子だけみてそのまま下山。ゴンドラ下に着いた頃にはちょうど12時ごろ。シャトルバスは15時と17時の2便しかないので、駅まで歩くことにします。すると12時59分の甲府行きに間に合ったので飛び乗ります。

ヒュッテ入笠のランチメニュー

 甲府で途中下車して郷土料理の「ちよだ」というお店へ行きました。ここで「おざら」と馬もつ煮とビールを頼みます(計2,420円)。「おざら」はほうとうのつけ麺スタイルという感じでしょうか。もつ煮も食べたかったのでほうとうより軽めのおざらを選んだ次第です。うまかった〜。

甲府「ちよだ」の「おざら」

甲府「ちよだ」の馬もつ煮

 帰りは14時46分の高尾行に乗ってのんびり帰りました。十分元はとった計算ですが、ちょっと腰が痛めです。もう少し短い距離の日帰り山行、旅行を考えてみようっと。

青春18きっぷ


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大阪・玉造のテレマークスキー専門店「SOU」が閉店… [テレマークがうまくなりたい!]

玉造テレマーク SOU.jpg

 大阪・玉造のテレマークスキー専門店「SOU」が2月12日閉店しました。年末に一時期HPが見れなくなっていて、年が明けたら急に半額セールを行なっていたので「もしや」と思い、1月下旬に大阪へ帰省した際に寄りました。

 ソウさんに久しぶりに挨拶して話すと、やっぱり閉店するとのこと。コロナもあったしなあ。あまり多くは語られませんでしたが、無念さが伝わってきました。

 テレマークスキーをSOUさんで買ったのは2018年12月。実は父親が倒れて玉造の病院に入院し、見舞いのため近くを毎週のように通っていました。「そういえばこの辺にテレマークの店があったな」と思い出し訪れたのが最初です。

 テレマークスキー は一度友人にお古の板とブーツをもらって挑戦していたのですが、その頃は子供も小さかったし仕事も忙しかったので練習できず、放ったらかしになっていました。そんな時にSOUさんに出会って、とても熱くテレマークの良さを語ってもらいました。
 父親のこともあって何か因果みたいなことを考えることが多かった頃でした。テレマークについてもソウさんに背中を押してもらい「これも何かの縁かもしれんな」と思い再挑戦した次第です。

 僕は「滑りを追求すると言うより、林道やなだらかなな斜面を登ったり滑ったりしたい」というと、次のようなセットを選んでくれました。費用もできるだけ抑えて12〜13万円くらいではなかったかな。

・板はG3 Stingr XCR
・ビンディングはG3 タルガ
・ブーツはScottoのKENAI

 まだまだ滑りは上手くなくて我流で腰引け滑りですが、楽しさはわかって来たような気がします。何よりスキーに行きたくなって来ました。

 SOUが閉店すると関西ではテレマーク用品の入手はネット購入以外は不可能になってしまった。テレマーク そのものもビンディングがTNTが主流となってきて、75ミリの昔ながらのテレマークスタイル はいつまでできるのかわからない。

 ちょっと先行きは暗いけれどあんまり考えていても仕方ない。頑張って滑り続けたいと思います。ソウさんありがとうございました。
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上越・巻機山BC 快晴!でしたがカリカリと重雪でした [テレマークがうまくなりたい!]

 上越の日本百名山・巻機山(まきはたやま)は沢登りの対象として米子沢(こめこさわ)が有名で、僕もずっと憧れているところ。実際に沢登りをしに登山口まで来たものの、雨が降り止まず断念したことがあります。沢登りとともに山スキーの対象としても有名で、週末の天気がとても良いのを見て単独ながら行くことにしました。こういう時、百名山は人も多いので安心です。

JR六日町駅前

 電車とバスを乗り継いでJR六日町まで来ました。六日町は駅前に比較的大きなスーパーや昼から飲めそうな(?)お店もあって想像していたより元気な町です。そこからバスに乗って登山口の清水の集落へ行きます。今回は民宿「泉屋」さんに前泊して翌日日帰りの行程なのです。山菜づくしの夕食がついて1泊2食¥7,500です。ご飯は魚沼産だし、ワラビ、アケビの新芽、こごみなどの山菜、それに分厚い栃尾のあぶらげも美味しい。八海山を一杯サービスでいただきました。
 今年の雪は例年より2〜3m少なく、3分の1くらいだそうです。

泉屋さんの晩御飯 山菜づくしと魚沼の米

 翌日は5時から朝食をいただき6時に出発。車でアプローチするパーティーはバス停「西谷後」あたりに路上駐車してでそこから出発するのですが、私は清水から伸びる林道をそのままつめていきます。桜坂駐車場を超え井戸尾根を目指します。五合目への急登が待ち構えています。

登山ルートの井戸尾根。五合目への登りが待ち構える

 五合目への登りでスキー板を担ぎます。朝早いため雪は硬くアイゼンが欲しくなります。僕はテレマーク のブーツに合うアイゼンを持っていないのでキックステップで登りました。
 五合目に上がると稜線に朝日がさしていました。

五合目まで登るとニセ巻機山に朝日が射していた

 高度を上げるにつれて周りの山々が眺められるようになります。上信越の山々が累々と連なっている。苗場山だけわかりました。滝雲(そう言っていいのかな?)も見えました。

見晴らしが良くなると上信越の山々が

苗場山が見えました

滝雲が見えた

 森林限界を超えてニセ巻機山へは右から回り込むように登ります。急斜面を登る人が見えています。五合目からはシールで登っても良かったのですが、雪も硬くてあんまりシールが効きそうもなかったし、トレースがしっかりあるのでスキーは担いだままでした。

ニセ巻機山への登りが見える

 急登を登りきるとやっと巻機山の頂上が見えました。

巻機山が見えた

九合目ニセ巻機山

 ニセ巻機山からいったん鞍部まで下ります。避難小屋は屋根が見えましたが、見えている部分が2階だとは想像できませんでした。雪が少ない今年でこれですから、例年はすっぽり雪に埋まっているんでしょうね。

最後の登りを終え振り返る

 巻機山の頂上稜線に立つとカリカリにクラストしています。これまで見えなかった越後三山が見えます。午前10時半ごろに頂上に到着。その先の牛ヶ岳へ行く人もいますが、僕は帰りのバスのこともあるしここから滑走です。

巻機山頂上にはなんにもない

 最初はカリカリ…怖い〜!そこから米子沢源頭へ向けて緩やかな尾根を滑っていきます。ここは快適、とはいっても何度か転びましたが(笑)

米子沢源頭までの快適斜面

 ニセ巻機山まで登り返して急斜面を滑るのですが、ここがまたカリカリでもう横滑りとキックターンの連続でしのぎます。全く滑りを楽しめていない…
 急斜面を終え、しばらく緩やかな斜面が続きますが、今度は雪が重くなってきました。五合目からの急斜面では、ブッシュと激重の雪でズタボロです。
 後ろから来たボーダーの方と「厳しいですね」などと話し、板を担いでやり過ごしました。安全第一です。その後は林道をあっという間に滑り下りて、清水の集落に13時半ごろに着きました。

清水に下山してきた

 すっかり春の風景です。「泉屋」さんに下山報告と荷物を取りに行くと、お茶とお菓子をいただきました。お茶が美味しくて4杯もお代わりしてしまった。生き返りました。お世話になりました。
 「泉屋」さんは高松宮殿下が登山するときに利用したり、民放のドラマ「雪国」で松坂慶子さんが駒子役で(旧建物のときに)撮影に訪れたことがあるそうです。今も大学山岳部OBやワンゲルOBの利用が多いそうです。そう言えば一橋大の小屋が近くにあったはずですね。
 米子沢の沢登りについて聞くと「事故も多くてお薦めしていないんです」と顔を曇らせました。「初心者向け」のイメージがありますが、行った人に聞くと「思ったより傾斜がある」などとしょっぱい話をよく聞いていますので、やっぱりそうかと思いました。巻機山は今回のスキーでよしとしてもいいかもな。
 スキーの滑りを楽しめたかどうかは怪しいですが、巻機山に雪のあるときに登れたのは嬉しいです。お土産にバスの車窓から酒蔵が見えた「高千代」の純米酒新潟県内限定紫(¥1,375)を駅前の川口屋さんで買いました。楽しみだ。

■上越・巻機山 2024/2/18
清水(6:00/10:30)巻機山(11:00/13:30)清水
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月山周辺・村山葉山927峰BC しんどい登り後パウダー [テレマークがうまくなりたい!]

 湯殿山へ行った翌日は、天気が今ひとつの予報。月山の影に隠れがちですが、なかなか立派な山容の村山葉山(むらやまはやま)の北面にある927峰へ行くことにしました。村山市山ノ内の大鳥居に向かい、集落からすぐの駐車地に車を停めました。他に車はありません。

村山葉山の927m峰へ

 最初は日が射していましたが、やっぱり悪くなってきました。

雪が降ってきた

 林道の終点から山の中に入りだし鉄塔に出て548m峰にまできましたが、ここからの「雪の観音郷」と地図に記載されているところはえらく急で、ここは登れないと判断し北東側の尾根まで大トラバースします。

村山葉山 927m峰へ2

 ようやく尾根上に出ました。林道を終点まで行くのではなく、途中から入るのですね。もう少し良く調べて行けば良かった。なんせ前日の晩に決まったものですから。
 割と急でジグザグを切りながら高度を上げますが、ブッシュもあってなかなか難しかったです。
 それと気になるのが、登っていると雪の割れ目ができることです。薄く積もった雪が割れるのです。滑走の時に大丈夫かな。ちょっと心配でした。

村山葉山 927m峰へ3 尾根に出た

 927m峰に着いた頃にはもう汗びっしょり。早々に滑りだします。最初は尾根上を行きますが。ブッシュがうるさくて一度右側の谷に下りますと、いい感じのパウダーで「もう行くしかない」となりました。まあ2人ともあんまり飛ばさないし、2人は離れずに行くことにします。いざという時に頼りになるのはパートナーですから。

 なんとか三枚平(さんまいびら)に出てきたものの沢を渡るのに苦労しました。三枚平に着くと白く広い平らな場所がありました。かつての集落跡で今は離村した跡だそうです。
 平坦であまり滑らなくなりますが、私はウロコ板なのでガシガシ歩いて15時に駐車地に着きました。

村山葉山 927m峰 滑り終えて

 その後はさくらんぼの佐藤錦で有名な東根まで移動し、温泉のこまつの湯に入って、蕎麦屋で二日連続となる「肉そば」を食べて帰りました。肉そばうまいです。

 登りはルートミスで苦労しましたが、滑りはまずまずでした。月山周辺で湯殿山や村山葉山(の麓)で遊べたのはとても楽しかったです。
 月山はまだ登ったことがなく、これまでは絶対スキーで登りたいと思っていましたが、これだけ周辺で楽しめたので、月山は夏山の花のシーズンでもいいかもしれないと思い出しました。

■村山葉山927m峰(2024/2/11)
大鳥居(8:30/12:20)927m峰(12:50/14:50)大鳥居

↓ルートが載っていました。

山スキー百山2

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出羽三山・湯殿山BC「さすが月山」 [テレマークがうまくなりたい!]

 大学時代の友人と三連休のバック・カントリーの計画を相談します。金曜日の仕事終わりで新幹線に乗って仙台で合流。山形県寒河江(さがえ)市のロードサイドホテルに宿泊します。ビールを飲んだら,
久しぶりだったので話は尽きず、いい感じで酔っ払って寝てしまいました。

湯殿山 モルゲンロート

 翌日は5時半出発で月山スキーの登山口の志津まで行って7時に出発します。モルゲンロートが湯殿山を赤く染めている。湯殿山は出羽三山の一つ。この日の良い天気は12時頃までのはずなので、早めに終えなくちゃ。

 それにしても雪が少ない。去年は交通標識に手が届いたのに…。それでも他のエリアに比べれば雪の量は「さすが月山」ということになる。

交通標識は高く

ブナ

 自然博物園を過ぎて石跳川から左の尾根に上がる。快適な尾根でシールをきかせて高度を上げて行く。若者らのパーティーはさすがに早い。と思ったら、地元のおじさんにも追い抜かれました。ははは。

湯殿山への登り1

 いつのまにか広大なバーンを登るようになりました。

湯殿山への登り2

 湯殿山東面の急斜面にシュープールがいくつもあります。やっぱりあそこを滑るのか。行けるかな〜。

シュプールがたくさんある

 南には朝日連峰、飯豊連峰、吾妻連峰が連なっています。素晴らしいパノラマです。(下の写真)

湯殿山より朝日、飯豊、吾妻方面

 頂上に登ると北には鳥海山が(下の写真)。東北の山々が一望です。

鳥海山と庄内平野

 もちろん月山も。姥ヶ岳方面です(下の写真)。
 頂上で先ほど抜かされたおじさんと話をしていると地元は「大江」だとおっしゃいます。鎌倉時代、幕府の要職を務めた大江広元がこの地域を治めていた由縁の地名です。地元の人にとってはとても誇りに思っている地名なんでしょう。大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では栗原英雄さんが演じていました。後半で目が悪くなった人です。

月山

 スキーでありがちですが、滑走している写真はありません。滑るのに必死なので…。
 何回か転倒しましたが、笑える内容でした。怪我がないように。

湯殿山東面を振り返る

 石跳川は所々で雪が割れているので、注意して進みます。途中大休憩をとりました。思ったよりお天気がもちました。ゆっくりコーヒータイムです。ですが段々と雲が空を覆うようになってきました。除雪終点までスキーを滑って終了です。

石跳川は雪が割れている

 満喫しました。「さすが月山」です。

休憩中

■湯殿山 2024/2/10
林道終点(7:00/10:00)湯殿山(10:25/12:15)林道終点


山スキールート212

山スキールート212

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上越・白毛門(しらがもん) 駅から登れる雪山 [東京での登山と日常]

 せっかくの冬のシーズンだから雪山に行きたい。なかなか電車バスで行くことができるところは少ないのですが、ネット記事を参考にしていて見つけました。上越国境近くの白毛門(しらがもん)なら楽しめそうです。

 上越線の土合駅は一度は行ってみたかったところです。谷川岳岩壁開拓時代には先を争ってこの階段を駆け上っていたとか。今日は私を含めて8人だけでした。階段数は462段とのことです。ちなみにトンネル駅は下りホームだけです。

土合駅の階段462段

 駅で身支度を整えて9時に出発!
 登山口からはいきなりの急登でした。これが延々続きます。尾根状に上がると小さい雪庇が出ていました。

尾根上に上がる。小さい雪庇が出ていた

 今回の出発時間ですと基本的にトレースはついていて、黙々とのぼるのみです。松ノ木沢ノ頭に11時10分ごろ着きました。

松ノ木沢ノ頭の手前

 白毛門は谷川岳の眺めが良いので有名で、今回も楽しみにしていたのですが、この日は全くダメですね。視界が効きません。
 ようやく頂上手前の雪の斜面が見えてきました。

頂上手前の雪の斜面が見えてきた

 ここでストックからピッケルに持ち替えます。雪壁というほどではないのですが、ピッケルだとなぜか安心感がありますね。下りはちょっと急に思う人もいるのではないでしょうか。

登っている人(下っているひと?)が見える

 そしてワンポイントの鎖場。雪が多い時は埋もれているとのことですが。落ち着いて通れば大丈夫です。

ワンポイントの鎖場

 人がいるところが頂上です。頂上の向こうにスキーの滑走準備をしている人がいました。まだブッシュが埋まりきれていないので、苦労しそうだとのことでした。それでも行くのだからすごいな。

頂上に人がいる。真っ白け

樹氷

 天気は回復しそうもないのでさっさと下山します。どんどん降りていたら14時8分の上毛高原行きのバスに乗れました。駅でお土産にこんにゃくを買って15時25分の新幹線に乗れました。

下山の風景

■白毛門 2024/2/3
土合(9:00/12:00)白毛門(12:05/13:55)土合

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太宰治の「津軽」を訪ねる1泊二日 [東京での登山と日常]

 太宰治の「津軽」を訪ねてみたいと思いました。正直に言いますが、太宰治は「走れメロス」しか読んだことがなく(それも教科書で)、なんとなく旅のテーマが欲しくて「津軽」を手に取ったところ、夢中になって読んでしまったのです。軽妙で自分に正直な語り口が、自分が思い描いていた太宰のイメージと全然違って、読んでいて「ぷっ」と吹き出すほどでした。家族や友人、恩人を訪ね歩くことが太宰にとっての「津軽」そして「自分を」知る旅だったのです。

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 新青森から奥羽本線で川部まで。山頂は隠れていますが岩木山が雄大なすそ野を描いています。五能線に乗り換えて五所川原で津軽鉄道に乗り換えます。

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 「大人の休日倶楽部パス」期間中とあって、切符を買うにも行列です。皆さんの目的は「ストーブ列車」。レトロな客車には1両につき2台のストーブがあって、車掌さんがするめ(¥800)を焼いてくれるのです。

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 ビールやお酒もじゃんじゃん売れています。まだ午前中とあって私は遠慮していましたら、かわいそうに見えたのかボックスで同席していた女性が焼いたするめをくれました。やさしいなあ。
 金木(かなぎ)駅で下車すると雪が降ってきました。

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 駅前から閑散としたまっすぐに伸びる道路を歩いていくと、5分ほどで太宰が津軽に疎開した際に使用していた「新座敷」がありました。室内にはあちらこちらに太宰の文章が置かれていて、目の前にある空間と文をいったりきたりしていると、どんどん太宰本人への興味が増してきます。

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 太宰は除籍されるなど実家との関係は良くなかったようです。それでも疎開を受け入れてもらい、この新座敷では執筆に専念できた良い時代だったようです。書斎で片膝をたてながら執筆している様子を想像してしまいます。

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 お昼は近くのすし屋「奴寿し」で。2,500円の寿し定食は豪華でした。お値打ちあるんじゃないかな。ここでも自制するつもりでしたが、お料理を見てすぐにタガが緩み、ビールに日本酒まで飲んでしまった。

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 続いて太宰の実家「津島家」の大邸宅跡である「斜陽館」へ。太宰の生家はこの地方随一のお金持ちで、成績優秀だった太宰は将来を嘱望されながらも、どんどん逆の方向に人生を歩んでいきます。惚れっぽいのか、惚れられやすいのかいつも女性と関係が深まり、詰まるところ自殺行為へと走ってしまいます。
 津軽への旅行を決めてから「人間失格」も読んだのですが、主人公と太宰本人とかぶらずにはいられません。とても正直な人だったのではないかなと思いました。多かれ少なかれ大人になると自然と身についてしまう「処世」みたいなことができずにいたのではないでしょうか。そうならば世の中は矛盾だらけで耐えられないものとなったでしょう。

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 芦野公園まで歩いて16時14分の津軽鉄道に乗って終点の津軽中里に着きました。この日の宿は駅から5分ほど歩いたところにある「福助旅館」さんです。

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 共同トイレ、共同風呂は新しくてきれいで、食事はおなか一杯、お酒は持ち込み制です。一泊2食で税込み8,140円でした。おかみさんがとても陽気な方で楽しかったです。

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 翌日は津軽中里駅を8時に出る弘南バスに乗って津軽半島日本海側最北の集落小泊(こどまり)を目指します。しじみで有名な十三湖には風力発電機が林立しています。バスはやがて小泊の集落に入り、「小学校前」で下車。片道1,200円支払おうとしたら、SUICA一日フリーパス1,000円で往復できると運転士さんが教えてくれました。ラッキーです。バス停からすぐで「小説「津軽」の像 記念館」です。

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 「津軽」で太宰は幼少期に子守をしてくれた「たけ」に会いに小泊を訪れます。ここでの出会いを小説のクライマックスとする方も多いシーンです。とかく他者にも自分にもとがっている印象がありますが、ここでの太宰は母親のそばを離れない子供のように安心しているのです。美しいです。
 小説では出会ったところで終わっていますが、太宰はたけ宅に一晩泊まったそうです。話をしたかどうかはともかく太宰にとって特別な人であったことに変わりありません。

 記念館には生前のたけや、金物屋で偶然太宰と出会った娘のインタビューも聞くことができ興味深いです。別のところで「取材に訪れる方も多く、たけさんも少々お疲れ気味だった」と聞きました。それにしても太宰との出会いでこの人の人生は大きく変わったでしょうね。

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 たけ宅など小泊漁港まで街を散策して派立というバス停から津軽中里まで戻りました。待ち構えてくれたのが「愛乗(あいのり)タクシー」です。

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 路線バス減少の策として導入された事前予約性の交通手段で今回奥津軽いまべつ駅まで送ってもらうことにしたのです。通常なら12,000円くらいのところを2,400円で運んでくれたので超ありがたいです。

 そして奥津軽いまべつ駅からはJRが社会実験している「わんタク」で龍飛崎を目指します。「わんタク」はこれも事前予約制で一回の乗車がなんと500円(大人の休日倶楽部パス所持者は300円!)です。今回の旅で一番驚きました。
 JR津軽線は蟹田(かにた)〜三厩(みんまや)間が大雨による土砂崩れで不通となり、復旧方法についてJRと自治体の間で話し合いが続いていますが、採算のことを考えると復旧は難しそうです。「わんタク」は将来に向けたデータ集めの側面があるのかなと思います。

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 この日の龍飛崎は風もおだやかで北海道まで見渡すことができました。左から右に松前や函館方面、下北半島。
 真っ白い山はなんだろう?
 こんな近くに北海道が見えることに単純に感動しました。同時に隔てる津軽海峡の大きさも。

 運転手さん曰く「こんな日はないですよ。来てもガスでなんにも見えないことも多いから大抵の人は10分もせずに帰ってくる(笑)」と言ってくれました。ラッキーだったなあ。

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 龍飛崎には爆音で歌が流れる「津軽海峡冬景色歌碑」もあって、石川さゆりの歌声が絶えず風の中で流れていました。有名な「階段国道」は冬季通行禁止でした。太宰は龍飛崎への旅でこう書きました。

この部落を過ぎて路は無い。あとは海にころげ落ちるばかりだ。路が全く絶えているのである。ここは、本州の袋小路だ。読者も銘肌せよ。諸君が北に向って歩いているとき、その路をどこまでも、さかのぼり、さかのぼり行けば、必ずこの外ヶ浜街道に到り、路がいよいよ狭くなり、さらにさかのぼれば、すぽりとこの鶏小舎に似た不思議な世界に落ち込み、そこにおいて諸君の路は全く尽きるのである。


 またもや事前予約していた「わんタク」に乗り(運転手さんは同じだった)JR蟹田駅へ送ってもらいました。太宰が訪れた際、名物の蟹をたくさん食べたとありますが、今はあんまりとれないそうです。「東日本大震災の時以来、なぜか獲れなくなった」とのこと。こんなところまで海の底を変えてしまったのでしょうか?本当かどうかはわかりません。
 16時25分の津軽線に乗って帰路に着きました。

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 ついこないだまで「走れメロス」しか知らなかったのに、にわか太宰ファンになった私。旅の終わりではもう太宰のことならなんでも知りたい気分でした。勝手な盛り上がりぶりに我ながらあきれてしまいます。

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 「津軽」は今年で刊行からちょうど80年にあたるそうです。地元でイベントをする機運もあるそうです。偶然でしたがそんな年の初めに訪れることができました。「津軽」との出会いも何かの縁ですね。「故郷」「斜陽」くらいまでは読みたいなと思います。行ってよかったです。


津軽 (新潮文庫)

津軽 (新潮文庫)

  • 作者: 治, 太宰
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2024/01/29
  • メディア: 文庫



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越後湯沢・東谷山BC 雪が足りません… [テレマークがうまくなりたい!]

 大学時代の山仲間と越後湯沢の東谷山へ。夏道もないマイナーな山ですが、パウダーが期待できるかもということで期待に胸ふくらませましたが、久しぶりのズタボロ山行となりました。

国道からトンネル抜けて橋を渡ると切り開きに出た

 国道沿いの駐車地から歩いてトンネルを抜け橋を渡ると切り開きに出ました。まずは尾根上に上がらねばなりません。先行者がいてトレースを辿ります。前日までの雪でラッセルはひざ下くらいあるので、しんどかったはずです。感謝。

林道から尾根に上がる。1150m付近

 スキー板のサイズ(幅)が影響するのか、中央がやや細めの私の板はトレースの跡をたどっても少しずつ沈むし、摩擦力も弱いのか人より遅れ気味になりました。この時点で「しんど〜」です。

ようやく陽射しが当たるように。1420m付近

 陽射しが届いてブナの林が樹氷でキラキラしています。きれいだな〜。
 さて東谷山はもうすぐそこですが、藪も濃いし左手に沢筋に滑り込むことにします。一見すると「わ〜、いい斜面!」とワクワクしたのですが、滑って見ると膝くらいのラッセル滑走となって進みません。雪も上の方はさらさらしているように思えたのですが、滑ってみると重たいのです。

頂上はカットして左手の沢筋に滑り込むが、下山ラッセルとなり苦戦

 雪が重たいので前につんのめる、テレマークだから前のめりになると途端に転倒してしまう、スキー板が雪面に深く刺さり立ち直りに時間がかかる。とまあそんな感じです。さらにブッシュがまだ十分埋まっていないので、自由にラインどりもできません。
 うまい人はこんな雪でも直線的なラインを颯爽と滑走するのでしょうが、ちょっと私には無理でした。

なんとか下山してきた

 林道に合流できたときは、やったーって感じでした。そこからはスイーっと滑って国道に出て無事下山できました。自分の実力のなさを再認識した次第ですが、やっぱり今冬は雪が少ないようですね。どこに行くか迷ってしまいます。友人とはまた2月の連休にどっか行こうと話しましたがね。

 ところで、一度友人がブッシュの下にスキー板を潜り込ませてしまって前に転倒し、抜け出れなくなって2人がかりでなんとか救出する事態になりました。しきりに痛みを訴えていたので「足を骨折していたらヘリを呼ばなあかんかも」と最悪の事態が頭によぎりました。幸い大したことがなかったのですが、やっぱりこういう時パーティーで行動するのは心強いなと思いました。長野など方々でBCの遭難が起きたようです。「低山だから」とか「俺は大丈夫だろう」などと、なんの根拠もない油断をしてはいけないと改めて思いました。気をつけてまいりましょう。

■越後湯沢・東谷山 2024/1/14
国道の駐車地(7:20/10:50)東谷山手前(11:20/14:20)駐車地
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