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1981年チベット・シシャパンマ女子隊の秘話 [クライミングを復活させたい]

 北村節子さんといえば田部井淳子さん率いる1975年の「エベレスト日本女子登山隊」に参加した最年少メンバーであり読売新聞社の記者です。

 彼女は80年秋にチベット西部のシシャパンマ(8,012m)の偵察行にも田部井さんに誘われた形で参加しました。その際に田部井さんは「雪男」と遭遇し、田部井さんと北村さんは「足跡」も見つけたというエピソードを持ちます。(「雪男は向こうからやって来た」より 著:角幡唯介)

 その北村さんが81年のシシャパンマ本隊に参加した時のことを「チベット幻の山へ 8012メートル峰、頂上の旗」という小文にまとめていました。

 この時は北村さんは副隊長になっています。ご本人も言っていますが、よほど田部井さんと「ウマがあった」のでしょう。

 田部井さんと協力員リーダーは最終キャンプから頂上アタックします。そして4月30日に登頂に成功しました。秘話はそこから始まります。

(ここから引用)
 帰国後、頂上写真を現像して、あっと絶句。登頂証拠として貴重なその1枚。田部井さんが掲げる日の丸と五星紅旗。なんと、中国旗が上下逆なのだ!
(ここまで引用)

 旗を結んだのは協力員リーダーでした。もちろん当時はデジカメはありません。旗の上下逆さまの重大さは、わかる人にはわかるでしょう(^ ^)

(ここから引用)
(中略)いきさつを知ったカメラマンのO氏が「任せろ」と極秘任務を買って出てくれたのである。手練れの腕で、修正は見事に仕上がった。

 登山界では頂上写真に手を加えるなど大反則。が、ことは国家の名誉、それにレンちゃん(注:協力員リーダー)の処遇にもかかわりかねぬ。登頂を捏造しているわけではないのだから、と、ここに田部井・北村とO氏の「秘密」が成立。提稿、報道発表がクリアできた。
(引用ここまで)

 旗を結んだ協力員リーダーとはその後思わぬところで再会したというエピソードも盛り込まれています。

 もう時効ですよね。当時の社会情勢も伺えてとても楽しいエピソードでした。そして田部井さんが亡くなった今となっては、ちょっと哀しい気持ちになりました。「秘密話」に田部井さんの少女みたいな笑顔が眼に浮かぶようでした。


雪男は向こうからやって来た

雪男は向こうからやって来た

  • 作者: 角幡 唯介
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2011/08/26
  • メディア: 単行本



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コメント 5

RW

田部井淳子さんが亡くなったことはまだ信じられないです。雪男と遭遇したなんてすっごいですね。;もう上半期も終わり・・、早いものですね~。6月中旬までは天気のいい日が続いていましたがいよいよ本格的な梅雨本番という感じになってきました。
by RW (2017-06-30 06:07) 

かばたん

作者の角幡氏も田部井さんは雪男について話したがらないのでは、と心配していたようですが、会ってみると「近所でぼやでも見た時のように気軽に話してくれた」そうです。
雪男は他にも芳野満彦さんや小西浩文さん、小野田さんを見つけた鈴木紀夫さんも見ているそうですよ。なかなか奥が深いです。
by かばたん (2017-07-02 09:27) 

小山哲

イエティで検索しててブログ見つけました

1991年3〜6月にインドとネパールを旅してきて
当初トレッキングなどする気もなかったのですが
ネパールで遠くに見えるヒマラヤの山々を見ているうちに
「もっとヒマラヤをまじかに感じたい」との衝動にかられ
ガイドブックに比較的初心者でも行きやすいというランタン渓谷に
その年の5月単独でトレッキングに行ってきました。

歩き始めて2日目、川沿いの安宿に泊まり
翌朝ヒマラヤの原生林に感動しつつあたりを見渡しながら歩いている時
ふと左後方に目をやると10mほど離れたところに
体長(背丈)155cm程度の全身黄褐色の毛に覆われた類人猿が立っていました。
一瞬目と目が合いそれは5mほど大きくジャンプしながら
木と木の間を抜けるように森の奥へと消えて行きました。

その頃の僕の認識としてはイエティ(雪男)は2mくらいある白い毛に覆われた獣人でしたので
この標高にこんなものがいるなら雪男がいてもおかしくないくらいにしか思いませんでしたが
帰国後、ネットが充実してきた1990年代後半
色々調べてみると「あれはイエティ?」と思うようになりました。

実はその前日にも「らしき」生物と遭遇しています。

今年GW中に山口敏太郎さんとメールでコンタクトすることができ
その時の体験を簡単にメールしたところ
「ぜひ、僕のやっているネットラジオで電話インタビューに答えてくれませんか?」
とのことで2019/5/8にインタビューを受けました。

それがこちら
https://www.youtube.com/watch?v=OnBkVZH4qtY

その数日後、敏太郎さんから連絡が来て
東スポさんがその内容を記事にしたいとのことの連絡あり
5/14の東スポで記事になり、翌日東スポの記事として
ヤフーニュースにも出てました。

それがこちら
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190514-00000009-tospoweb-ent

上記のところで詳細&前日談も語っています。
実名でOK出しているのは熊やラングール(80cm程度の猿)の見間違いではなく
未確認と思われる類人猿と遭遇したのは確かなことで嘘、偽りのない実体験だからです。

現状学術的にイエティ=熊という流れですが
謎の類人猿を直近で見た僕にとっては
「いやいやそうじゃない!」という思いです。

この記事が出た後
「雪男は向こうからやって来た」で体験談を語っている
小西さんのオフィシャルサイトからダメ元でメールしたところ
「貴重な体験をご連絡頂き、有り難うございます。
東スポの記事も読ませて頂きました。
皆さん、ご自分の目で見た物でないと、なかなか信じないというのはよくわかります。
私も、イエティに会うまでは、そうでした。」
との返信。

また著者の角幡さんのツイッターに書き込んだところ
記事を読んでくれたようで
「ぼくらが2008年に探していたやつとまったく同じタイプですね、これは、やっぱりいるのかな。」
とのリツィート。

お二人とも素人のこんな話に反応してくれて
素敵な方達です!

お時間あるときでもご覧ください
by 小山哲 (2019-06-21 14:24) 

かばたん

小山様
貴重な体験をお寄せいただいてありがとうござます。雪山の中にいると言う固定概念を一度取り除いたほうが良いのかもしれないですね。それにしても羨ましいです。
by かばたん (2019-07-09 06:40) 

小山哲

かばたんさん返答ありがとうございます。

「雪男は向こうからやって来た」おおよその概要は知ってましたが
今、時間を見つけて読み進めています。

なかなか面白い!


by 小山哲 (2019-07-09 11:52) 

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