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世界のスキー発祥地 アルタイの遊牧民もヒールフリーだった! [山の本、TVなどメディア関係]

 全く雪が降りませんね。どうしたものやらです。岐阜あたりのスキー場も人工雪だけの状態が続いています。
 そういえば関西の夕方のTV番組で、六甲山スノーパーク(人工スキー場のことです)がこの20年間で一番の人出を記録していると言っていました。暖冬の中、雪が安定してあること、家族連れで来やすいアクセスの良さ、そしてインバウンド客の増加が原因として考えられるそうです。確かに、練習なら六甲でという考えはありかもしれません。でも混んでるだろうなぁ。

 さて先日、NHK-BSで「中国秘境 謎の民「木馬氷上を馳せる」」というドキュメンタリーが再放送されていました。中国の奥地、ロシアやモンゴルとの国境に横たわるのがアルタイ山脈です。このアルタイ山脈で馬とともに暮らしている遊牧民がトゥバ族です。アルタイの馬は天馬、汗血馬とも呼ばれ騎馬として高い評価を得ています。

 中国・唐代の歴史書「新唐書」には、アルタイの人達のことを説明するにあたり「木の馬に乗り氷上を馳(は)せる」と表現しています。その際「木の棒で脇を支え」ているというのです。
 周辺の1万年前のものと思われる壁画には、人々がスキーのようなものを足につけて鹿を追っている姿が描写されていました。
 トゥバ族の先祖は「世界で最も古くスキーを始めた人達」とされているのです。

 冬になって広大な大地が雪で閉ざされると、トゥバ族は今も300キロの行程をスキーで踏破する行事があって、オボと呼ばれる信仰施設で祈りを捧げるのだそうです。

 そしてそのスキーをする風景のシーンが流れたのですが、それが驚きました。一本杖でバランスを取りながら、すごい勢いで滑り降りていくのです。まるでテレマークスキーの原型のようなスタイルです。
 ターンという概念がないのか、ほぼ直滑降なのですが、登山でやるグリセードにスキー板を掃いたような感じでしょうか。
 登りのシーンも何カットかあって、やはりヒールフリーで、ガシガシ登っていました。

 あとでスキー板を作るシーンがあるのですが、丈夫で軽く加工しやすいシロマツを削って板状にし、お湯で温めて板の先を曲げ、最後に馬の脚の毛を釘で滑走面に固定していくのです。これってシールですよね。こういうスキーを遊牧民らは手作業で作るのだそうです。

 1万年前ものスキーの道具や技術は長い年月の割には、さほど変わっていません。テレマークスキーや山スキーに現代人が期待するのは、自然との対話を感じる体験が原始的で新しいと感じるからではないでしょうか。

 アルタイの草原は冬の景色も素晴らしいのですが、緑に覆われた夏の草原も無数のお花畑に覆われていて、とても綺麗でした。ここだけしか知らない生き方も悪くないのだと思いました。

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