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奥高野・三田谷上西谷で沢登り 自然林に癒されました [関西の沢と岩と雪]

 三密を避けるため「今年は沢登り」と早々に決めました。「上越の沢でナメ滝をランランと歩きたい」と思ったものの、日程は1泊2日だし、どう見ても登攀力が低下している。
 奥高野の三田谷上西谷は「関西周辺の谷」(1980年発行)には「初心者同行でないかぎり、ザイル不要。よく滑るのでワラジ必携」とある。「なんとかなるやろっ」と出発です。

三田谷最初は緩やかな流れだが、時々ゴルジュがある

 伯母子岳登山口前の工事車両が置かれているスペースに駐車してしばらくは広い河原を進みます。堰堤を2個越えてから入渓しました。穏やかな流れで平凡とも言えますが、時々ゴルジュが出てきて、さほど飽きません。右に左に渡渉を繰り返します。ちょっとした本流遡行を味わえます。

沢筋に咲いていた花

 上の写真の花は多分イワタバコ。下の写真はカエル君です。とにかくこの谷は自然林がきれいで、野性味があふれています。マムシと思われる蛇が多かったし、鹿は2日間で10頭以上見ました。鹿は一度なんか1メートルの距離で出くわしまして、お互いびっくりしてしまいました(^ ^)

カエル 野性味に溢れる谷だった

 さてガニオ谷、マツオ谷を右に分けていよいよ上西谷に入ります。竿を出すならマツオ谷までが良いでしょうね。私たちは歩みが遅いので先を急ぐことにします。

上西谷に入って早速滝が出てきた

 上西谷は良い形の滝が思ったよりありました。最初は直登は無理で、高巻くことになるのですが、これがなかなか大変です。下の写真は右岸を巻くのですが、斜面全体がザレていて、木の根っこが頼りなのですが、根が腐ったものが多くて結局ロープを出すことになりました。

この滝は右岸を巻くが嫌らしい高巻きだった

 この滝も右岸を高巻いたような気がします。

直登したと思う

 この滝は左岸のザレ場を登って左上する斜面を登り、最後は一歩が難しいので念のためロープを出しました。 

左岸を巻く。落ち口への一歩にロープ出す

 さらに下降が嫌らしいので、安全を喫して、懸垂下降です。

安全のため懸垂下降する

 テン場を探しながら遡行していると、左岸に台地を見つけました。もう喉がカラカラです。ビールを飲んで、定番の梅酒をチビチビと飲みます。
 最近の山のテレビ番組(平出、中島ペアのシスパーレやラカポシなど)のことや、あと何年登れるだろうか?という話などしていたらあっという間に時間が過ぎてしまいました。

焚き火

 翌朝は6時に出発です。連瀑帯はほとんどが直登していけます。三段18メートルは念のため滝の落ち口のところでロープを出しました。

連瀑帯に入る。直登して行ける

 全体的に黒っぽいゴツゴツした岩のナメが続きます。とは言っても流木や岩クズで、ナメを楽しめるような感じではありません。支沢が流れ込んできても基本的には本流を詰めることを心がけていると、頭上に鉄の橋桁が見えました。熊野古道です!

熊野古道の鉄橋が見えたら、遡行は終了だ

 伯母子峠には小屋とトイレがありました。ザックをデポして伯母子岳を往復します。

熊の糞だろうか?オオセンチコガネが群がっていた

 途中で大型哺乳類の糞にオオセンチコガネが群がっていました。熊ではないでしょうか?帰宅してネットで調べていたら、周辺では「熊出没注意」の看板があるそうです。上高地の小梨平でクマがテン場を襲ったという話をネットで見たばかりなので緊張しました。

伯母子岳 山頂

 伯母子岳は展望がよかったです。「どれが護摩壇山だろう?」などと話します。よくこんなマイナーな山を日本二百名山に選んだものだと感心します。
 あとは三田谷の登山口まで降りるだけです。流石に熊野古道の小辺路だけあって広くて歩きやすかったです。かつて馬が往来していたというのも頷けます。上西家跡など歴史を感じさせる道でした。

 本文でも触れましたが、三田谷は自然林が豊かで、動植物の野性味が溢れる沢です。紀伊半島の沢でこんなに河原歩きが続く沢はあまりないでしょう。のんびりと山や沢と対話できそうな、そんな沢だと思います。時間があれば、釣りがしたかったな〜(^ ^)
 ちなみに私たちは念のためロープを頻繁に出しました。あまり先行者の跡も見られなかったので、ルートフィンディングや悪場の通過など、ある程度経験がいると思います。

■奥高野・三田谷上西谷(2020/8/13-14)
三田谷橋(7:00/11:30)マツオ谷(11:30/15:15)TS
TS(6:00/7:45)熊野古道(7:50/8:30)伯母子岳(8:50/11:55)三田谷橋

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