「JR上野駅公園口」オリエンテーリング [東京での登山と日常]
週末の天気予報は曇りとなっていますが「大気も不安定で関東の山はどこも雨が降るだろう」と、言い訳をつけて休養としました。ちょっと疲れもあるようです。
柳美里の「JR上野駅公園口」を読みました。全米図書賞翻訳部門の受賞作品です。
「おめえはつくづく運がねぇどなあ」上手くいかない人生もあるのだ。それは誰の身にも起こりうる。だから人は家族の健康を祈る。
上野公園は正しくは上野恩賜(おんし)公園という。もともとは徳川家の菩提寺としても栄えた寛永寺というお寺で、明治維新で官有地となり、大正時代に東京市に下賜(かし)され、その時から上野恩賜公園という名前になったそうだ。そして上野駅はいうまでもなく東北への玄関口だった。
昭和生まれの人間にとっては、上野というとちょっとわい雑で子供には怖いところというイメージがあったのですが、全くの杞憂でむしろ綺麗すぎるくらいでした。きっと小説が書かれた頃よりもっと「健全化」が図られたのでしょう。
今回上野を散策するにあたって、オリエンテーリングアプリ「NaviTabi」を使ってみました。おかげでいろんな建築物も見ることができました。
上の写真は国際子ども図書館。1906年建造の旧帝国図書館。2000年に国際子ども図書館となる際に安藤忠雄さんが設計の監修を務めたそうです。
上の写真は東京藝術大学音楽学部の一号館です。1880年竣工。東京における現存最古のレンガ建築とのこと。確かに煉瓦一つ一つが丸みを帯びています。周りの緑ととても調和が取れていますね。書庫として建てられたため、窓には鉄扉がつけられています。
東京都美術館ではゴッホ展が開かれていました。「えらく空いているなあ」と思ったら、予約制でした。続いて上野動物園も予約制です。予約が当たり前になったのですね。
上の写真は上野大佛です。上野に大仏があったなんて知りませんでした。胴体部分は戦時中に金属供出されたそうで、現在はレリーフのみ。
不忍池(しのばずのいけ)は小説で何度も出て来ます。ここには昔競馬場があったそうです。階段を上り返して西郷隆盛像と彰義隊墓所があります。小説にも書かれています。
関西に住んでいると、なんとなく明治維新のゴタゴタというか人間模様が頭に入らない(もともと日本史を覚えるのが嫌いだった)のですが、官軍か逆賊か、どちらが正義なのか…。落ち着きどころがこの上野での集合だとしたらたしかに妙な巡り合わせです。
ホームレスらしき人たちも見かけましたが、コヤのようなものは一切ありませんでした。東京五輪の名の下で「山狩り」が細く長く計画的に行われたと想像します。
小説のテーマにもある天皇制との距離感も東京の方が生々しく感じられるような気がしました。
柳美里の「JR上野駅公園口」を読みました。全米図書賞翻訳部門の受賞作品です。
「おめえはつくづく運がねぇどなあ」上手くいかない人生もあるのだ。それは誰の身にも起こりうる。だから人は家族の健康を祈る。
上野公園は正しくは上野恩賜(おんし)公園という。もともとは徳川家の菩提寺としても栄えた寛永寺というお寺で、明治維新で官有地となり、大正時代に東京市に下賜(かし)され、その時から上野恩賜公園という名前になったそうだ。そして上野駅はいうまでもなく東北への玄関口だった。
昭和生まれの人間にとっては、上野というとちょっとわい雑で子供には怖いところというイメージがあったのですが、全くの杞憂でむしろ綺麗すぎるくらいでした。きっと小説が書かれた頃よりもっと「健全化」が図られたのでしょう。
今回上野を散策するにあたって、オリエンテーリングアプリ「NaviTabi」を使ってみました。おかげでいろんな建築物も見ることができました。
上の写真は国際子ども図書館。1906年建造の旧帝国図書館。2000年に国際子ども図書館となる際に安藤忠雄さんが設計の監修を務めたそうです。
上の写真は東京藝術大学音楽学部の一号館です。1880年竣工。東京における現存最古のレンガ建築とのこと。確かに煉瓦一つ一つが丸みを帯びています。周りの緑ととても調和が取れていますね。書庫として建てられたため、窓には鉄扉がつけられています。
東京都美術館ではゴッホ展が開かれていました。「えらく空いているなあ」と思ったら、予約制でした。続いて上野動物園も予約制です。予約が当たり前になったのですね。
上の写真は上野大佛です。上野に大仏があったなんて知りませんでした。胴体部分は戦時中に金属供出されたそうで、現在はレリーフのみ。
不忍池(しのばずのいけ)は小説で何度も出て来ます。ここには昔競馬場があったそうです。階段を上り返して西郷隆盛像と彰義隊墓所があります。小説にも書かれています。
「西郷さんの背後に彰義隊士の墓があって、五分も離れていないところにある清水観音堂に上野戦争で官軍の鍋島藩が撃った砲弾が保管されておるなんて、ここはなかなかおかしなところですよ」
関西に住んでいると、なんとなく明治維新のゴタゴタというか人間模様が頭に入らない(もともと日本史を覚えるのが嫌いだった)のですが、官軍か逆賊か、どちらが正義なのか…。落ち着きどころがこの上野での集合だとしたらたしかに妙な巡り合わせです。
ホームレスらしき人たちも見かけましたが、コヤのようなものは一切ありませんでした。東京五輪の名の下で「山狩り」が細く長く計画的に行われたと想像します。
小説のテーマにもある天皇制との距離感も東京の方が生々しく感じられるような気がしました。
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