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安達太良山を登り「智恵子抄」を読んでみました [東京での登山と日常]

 3週連続の東北。体力、気力的にもちょっとしんどい。お財布的にも…。ということで南東北の福島の安達太良山にした次第です。さて新幹線で郡山下車、東北本線に乗り換えて二本松まで。この時期は奥岳登山口までシャトルバスが出ています。バスの列に並ぶのが一瞬遅れ、立ち客となりました(泣)

 奥岳登山口はあだたら山ロープウェイがあるところです。バスの乗客はほとんどがロープウェイ組でした。スキー場の右手の林道から登山道に入って行きます。やがて五葉松平経由安達太良山への道を分けて、勢至平を目指します。

 馬車道という広い道もありますが、旧道を選んでショートカットを目論みます。しかしこの道が粘土質の水たまりがいっぱいあるようなぬかるんだ道で、案の定転んでしまいました。いきなりドロドロだぁ〜。あとで時間的にはあまり変わらないと聞きました。しょんぼり。

勢至平からの紅葉

 勢至平に着くと平坦な道が続きます。やがて鉄山の岸壁と紅葉が見えてきました。曇っているのが残念ですが、それでもそれが素晴らしい紅葉とわかります。何枚も写真を撮ってしまいました。

くろがね小屋

 くろがね小屋では大勢の人に混じり、かわいらしい女性をリポーターにした撮影スタッフがいました。いつか放映されるのでしょうね。どこの局だろう?
 この辺りは硫黄の匂いがしますね。くろがね小屋は温泉に入ることができ、とても人気がある小屋です。予約も大変だと聞いたことがあります。

「乳首」がちらっと見えた

 さて私は峰の辻目指してザレた登山道を登ります。その手前から安達太良の「乳首」がちらっと見えました。でもそれは一瞬ですぐにガスに巻かれて見えなくなりました。ガスの中を登るにつれて霧雨のような細かい雨が降ってきました。

 沼ノ平の爆裂口を見るのが楽しみだったのですが、ガスで全く展望は利かず、風も吹きまくって寒い。さっさと頂上を目指すことにします。

安達太良山 すごい人だ

 すぐに頂上直下に着きましたが、さすが日本百名山だけあって大勢の人がいます。100人は余裕でいたのではないでしょうか?「乳首」に上がるには一方通行の道があってちょっとした岩場を登ればすぐです。時折下の方が見える時もありました。ぱっぱと写真をとって下山に取り掛かることにしました。

ちょっとだけ青空

 下山はロープウェーの山頂駅を目指しますが、思ったより時間に余裕があるので、そのまま登山口まで徒歩で下山することにしました。上りの渋滞の列ができています。クラブ〇〇〇ズムのツアー客です。すごい数です。ガイドさんも大変だなあと思います。こちらも思うように進めません。まあ我慢するしかないですね。

展望台から見える稜線

 薬師岳の展望台に着く頃には、なんと山頂がバッチリ見えまいた。上の写真の一番左が安達太良山、別名乳首山です。ガスはどこへ…。まあいいや、それにしても紅葉がきれいだ。晴れていればなあ。

この上の空がほんとの空です

 この展望台には「この上の空がほんとの空です」との標識があります。智恵子だけでなく、全ての人が「ほんとの空」を求める気持ちがあるのでしょう。

色づく葉っぱ

 下山後は奥岳の湯で汗を流し、缶ビールを飲んで15時半のバスで帰路につきました。

 実家の母親に「安達太良山に行ってきた」と話すと「あー、ほんとの空、智恵子の…」と言って、顔がほころんだような気がしました。そういえば読んでことがなかったな。青空文庫に「智恵子抄」がありました。読み始めると止まらなくなりました。こんな女性がいるのかと思うほど、純潔さを持って、子供のようでいて、しかし激しさを胸に秘め、夫の芸術作品の最大の理解者だった智恵子。しかしやがて精神が侵されていきました。「智恵子抄」は高村光太郎がその時々の愛おしい想いを包み隠さず書き留めていたものです。
 「東京には空が無いといふ、ほんとの空が見たいといふ。」という詩「あどけない話」だけではありませんでした。「レモン哀歌」「梅酒」「荒涼たる帰宅」。今回全編読んでよかったと思いました。本当によかった。

■安達太良山 (2022/10/8)
奥岳登山口(9:05/11:35)安達太良山(11:55/13:45)奥岳登山口


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