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大学山岳部のブログから2021無積雪期 [大学山岳部のブログから]

 大学山岳部を勝手に応援している「大学山岳部のブログから」です。コロナ禍での2回目の無積雪期の活動となりました。

■信州大学
 前回の積雪期の時も思ったのですが、コロナ禍であることを忘れるかのような山行報告の山です。個人山行レベルは数知れず、長期の縦走も新穂高から栂池を北上する隊、南下する隊と、人数も相当まとまっているようです。宝剣中央稜の「おけらクラック」の写真はやっぱり格好良かったです。プレ新人合宿の報告で次のような文がありました。

プレ合宿を行った最大の理由は、昨年度コロナウイルスの影響で、例年の新人合宿を今の2年生が経験していないところにあった。


 山岳部にとって1年間の活動の有無は、技術や経験の継承に大きな影響を与えます。考えさせられました。

■同志社大学
 山行の活発さという面で、立派なものだと思います。近郊の比良で縦走や沢登りの練習、金比羅や百丈岩でのクライミングと地道に活動を続けています。

■青山学院大学
 面白かったのが「部室の移転」です。2021年2月にプール下で50年以上あった部室が移転することになりました。当然のごとく歴代のギア(ガラクタ?)が掘り出されます。そこで話題となるのが「伝説の俺のヘルメット」。事故にはあうものの、致命傷は負わないという微妙な伝説があるそうなのです。このヘルメットは捨てるに忍びず、新部室に移設されたそうです笑。
 部室の移転に際して、記録類の保存方法に関して一文がありました。

クラウドはそのタイミングでの共有は便利で劣化も無く好都合なのだが、数年経った後にその当時いなかったメンバー(アカウント)への共有は想定されていないので、そこがネックになり、結果的には新しい世代の誰かが開き目にする機会をつくることができない。


 そうだなあと思います。代ごとにアカウントが変わっていくとか。ブログからFacebook、twitter、それにInstagramへとSNSの主役がどんどん変化していきますしね。

■東京大学
 ジロト沢右俣の布晒の滝の登攀が、プロテクションが取れずに非常に怖そうに思ったのですが、滝の全景の写真がありません。草付きの多いスラブという感じでしょうか。
 8月の劔合宿の下山日に、八ツ峰Ⅴ峰のクラックを登っていました。あれを登りたくなる気持ちはわかります。
 「稜線電話チャレンジ」の話は、私の時代にはありえない話です。面白かった。

 全体的に活動は限定的で、ブログ(ホームページやSNS)での報告が停止している大学も数多くありました。しかし東京都立大学は2021年11月からブログが再開されています。また日本大学は「2021年12月10日より活動を再開することになりました。日帰り山行からとなりますが、新型コロナウィルス感染対策に留意し徐々に活動を再開していく予定です。」との一文をトップページで記しました。

 緊急事態宣言が明けた11月から各大学の活動が活発になってくれたらと願います。活動の空白期間がある部分があると思います。無理のないように。
 日本大学のように日帰りからでいいから雪山の報告を期待したいと思います。


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大学山岳部のブログから2020-2021積雪期 ブログ更新が少ない… [大学山岳部のブログから]

 3週間もブログの更新をサボってしまった。

 さて大学山岳部を勝手に応援する「大学山岳部のブログ」からです。

▼同志社大学
高鷲スノーパークでの雪上訓練、埋没と捜索の訓練、ツエルトによる搬送訓練。堂満ルンゼや唐松岳に日帰り。多分泊りがけの活動は制限されているのでしょう。それでも頑張っているなあと思いました。

▼信州大学
地域によって大学の規制も違いがあるのでしょうか。信州大学はフルで活動しています。爺ガ岳南尾根、遠見尾根、北穂横尾尾根、戸隠岳西窟尾根、宝剣岳サギダル尾根、鹿島槍東尾根、涸沢岳西尾根。
鹿島槍東尾根ではテントの中でスマホで映画を見て時間を過ごしています。すごい時代になったものです。東尾根の写真が豊富で、すごくイメージできました。

▼立命館
年末に常念岳

▼京都大学
日帰りで乗鞍岳に山スキーに行っています。

▼神戸大学
兵庫県といえばコロナの影響も大きいはずですが、2/20~28で南アルプスを縦走しています。柏木登山口〜仙丈ケ岳〜三峰岳〜農鳥岳〜大門沢。天気も良く、途中で休養日を作ったりして、羨ましい山行でした。長期山行の報告はやっぱり充実感が溢れています。

▼法政大学
富士山合宿11/28~12/3

▼九州大学
栂池〜白馬

 やっぱり登山日数は少ないですね。もっと心配なのはブログなどの記録更新が途絶えている大学が結構あったことです。
 もともと部員不足が深刻な大学山岳部岳だけに、コロナをきっかけに一気に廃部になってしまわないでしょうか。現役部員だけでなく、OB,OGの力が必要な時期かもしれないと感じました。

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京大チョゴリザ初登頂の平井一正氏亡くなる 国内記録も尖っていた [大学山岳部のブログから]

平井一正氏 毎日新聞2016年3月15日

 京都大学隊で1958年のチョゴリザ(7654m)初登頂者であり、62年にサルトロカンリ(7742m)登山隊参加、神戸大学隊の隊長として76年のシェルピカンリ(7380m)、86年のクーラカンリ(7554m)の初登頂を成功させた平井一正氏が2月15日に敗血症で亡くなったとのこと。

 写真は2016年3月15日の毎日新聞の記事で、「老いに学ぶ」という連載記事のインタビューをたまたまスクラップしていたものです。初登頂のことや奥様のことを回想されています。次の言葉が印象的です。

 チョゴリザ登頂の瞬間瞬間を、60年近くが過ぎても克明に覚えてます。人生で苦しい目に遭った時、頂を目指して黙々とラッセルを続ける自分を思い出し、勇気を奮い起こしました。幸運だったと思います。


 さてヒマラヤでの活躍が注目されがちですが、国内でも先鋭的な登山をしていました。以前和田城志さんが岳人500号「積雪期黒部川横断研究」の中で、平井さんとパートナーの脇坂誠さんのことを「京大のヘッドクォーターともいうべき」と評しています。この黒部川横断の特集は値打ちがあると今でも思います。

1950年 京都大学入学、山岳部入部。
1952〜53年の冬の知床登山。羅臼岳登頂。
1954年3月 ノンサポートで烏帽子岳から薬師岳を超え剱岳まで縦走。
1955年3月 毛勝、猫又山、赤谷山、三ノ窓、剱岳まで縦走(極地法)。
1955年12月 鹿島槍、牛首尾根を下り、十時峡を渡り黒部別山、剱岳を登る計画。鹿島槍で敗退。
1955年8月 池の谷中央ルンゼ登攀、剣尾根登攀。劔沢大滝の上まで探索。
1956年 大学院修了、金沢大学で勤務。
1957年3月 剣尾根(敗退)
1957〜58年 北岳バットレス第一尾根(敗退)

 和田さんが言及した鹿島槍〜十字峡〜黒部別山〜劔の計画は現在でも超がつく野心的な計画です、それも年末年始に…
 この後1958年のチョゴリザ初登頂に続くのですね。なんとも充実した山の記録ですが、当時の装備は貧弱で、情報もほとんどない時代です。その精神力、企画力、実行力は並大抵ではなかったはずです。それも大学の研究を並行するなんて想像できません。
 冒頭に紹介した毎日新聞の記事では「夢を決してあきらめない。必ず実現します」と結んでいました。

 謹んでご冥福をお祈りします。


初登頂―花嫁の峰から天帝の峰へ

初登頂―花嫁の峰から天帝の峰へ

  • 作者: 平井 一正
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大学山岳部のブログから コロナ禍の2020無積雪期 [大学山岳部のブログから]

 今日は大晦日です。数年に一度の大寒波ということですね。去年が全然雪がなかっただけに、せっかくのシーズンインなのに、どうしたものか…

 さて勝手に大学山岳部を応援する「大学山岳部のブログから」です。2020年は新入生勧誘の4〜5月の頃、非常事態宣言で活動停止を迫られただけに、なかなか苦しそうな活動が見て取れます。

 いつも感心させられている同志社大学はコロナ禍ですが地道に活動を続けています。京都北山で読図の訓練をしたり、比良で縦走や沢登りをしたり。遠出は避けたようですね。2019年度の活動報告書がまとめられていました(PDFでダウンロードできます)。戸隠の本院岳北西尾根って渋いなあ。

 首都大学は個人山行として剱岳の熊の岩に定着して、チンネ左稜線や源次郎成城大ルートを。部としての活動が制限されているとのこと。

 青山学院大学は11月末に雪崩講習会をオンラインで行っていたそうです。オンラインなら参加できたなあ。残念です。

 北海道大学は9月のペテガリB沢から山行報告が再開されています。

 京都大学は11月中旬に鈴鹿へ泊りがけで行ったのですが、石榑峠でのテントは4人で4つ。1人に一つのテントで三密対策です。

 立命館は8/30~9/3まで蝶ヶ岳〜大天井〜槍ヶ岳〜上高地の縦走が報告されているのですが、集合して出発するのではなく、各自バラバラに出発して現地の集合地に向かうという異例なアプローチだったとのこと。これも三密対策なんでしょうね。それにしても2班で縦走計画を立てるなんて、人数が多いのですね。

 神戸大学は9月の四連休で立山から上高地へ縦走。2日目の薬師峠のキャンプ場の写真が掲載されています。テントの数が…すごい。

 関西学院大学は今年の秋にチベット側からのヒマラヤ登山を準備していたとのこと。2019年に偵察隊を送っていたのとのこと。当然ながらその報告はなく、twitterでは「創部100周年にも関わらず、部は存続の危機を迎えています」と悲痛なつぶやきが書き込まれていました。大丈夫かな。

 どこの大学も苦労しています。だいたい総じて言えるのは、4〜5月は活動停止。7月から新入生の入部受付を開始したものの、入部希望者がいたかどうかは微妙。8月終わりから10月にかけて活動を再開というところでしょうか。

 東京大学スキー山岳部は8月に活動再開です。自粛期間を次のように振り返っています。

3月下旬に突如発表された課外活動の全面停止から4ヶ月経過し、季節は厳しい冬から酷暑へといつの間にか変わってしまっていた

7月下旬から順次再開が認められ長期間の空白期間がありまた自宅待機(ステイホーム)が推奨された期間があった他、今年の長梅雨の影響で外に出て運動する機会が少なかった。


 「ブログの更新が滞っている。やばい」というような書き込みも複数ありましたので、多分個人的な山行は行われているものの、報告はされていないというのが実情ではないかな、と思いました。

 対面式の授業再開を模索する動きがある一方で、感染が拡大している限りは、大学生活が元に戻ることはなかなか難しいでしょうね。本当にかわいそうだなと思います。私の二男も3回生で体育会クラブの主軸になるはずでしたが、結局大学側からリーグ戦への参加を見送るよう指導されてしまいました。親としては腐らずにやってくれたらと願うばかりでした。

 体育会としての活動と個人山行の線引きはどうなるのか気になるところですが、あんまり突き詰めないほうが良いようにも思います。
 個人山行は別に良いと思うのですが、計画書や検討などはしっかりやって、くれぐれも事故などないように祈ります。

 コロナでこれまで経験したことのないような年となりましたが、自分自身や人生について考えるきっかけになったようにも思います。

 さてそれでは今年一年お世話になりました。来年は良い年となりますように。楽しい山登りができますように。


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コロナ影響は…大学山岳部のブログから 2019〜2020積雪期 [大学山岳部のブログから]

 勝手に大学山岳部を応援する「大学山岳部のブログから」です。いつもより早いタイミングですが、コロナで残雪期の活動は無理でしょうし、山岳部の新歓にも影響が出ているので気になった次第です。

 授業自体がオンラインで行われています。どのクラブやサークルもそうでしょうが、山岳部の皆さんも活動を自粛していて4月以降の記録は見かけませんでした。

 新入生勧誘は「オンライン」で行うのが主流のようです。北海道大学の新歓はWeb会議サービス「zoom」で説明会しているとのこと。大学当局は新歓の開始を6月30日としているそうです。同志社大学は対面授業が行われる5月12日まで新歓を自粛するとのこと。大学も状況の変化を睨みながら再開のタイミングを伺っているのがわかります。ただし日付は延期しているようです。立命館大学も週一回「zoom」ミーティングに筋トレ。京都大学は「google hangout」でオンライン説明会。

 早稲田大学のtwitterで新歓の質問コーナーをみていると「授業を休む必要がありますか?」との問いに対し「体育会なので公欠届を出しますが、受理されるかどうかは教授次第」との記述がありました。公欠届があるのですね。教授次第だとはいえ、体育会に理解のある大学だなと思いました。「勉強との両立はできます」も心強い言葉でした。

 さて、そんな中記録をみてみますと

 首都大学東京は1/12-17で槍ヶ岳の北鎌尾根へ。湯俣からはビニール袋を巻きつかて渡渉したり(効果は今ひとつだったのかな?)下部尾根は確実に登っています。しかし槍ヶ岳頂上への上りと下りで予想外の苦戦を強いられ、最後にはビヴァーグまで追い詰められる記録はちょっと鳥肌ものでした。満身創痍での下山を読むと、やはり「キタカマ恐るべし」の感想しかありません。

 同志社大学は立山でイブ合宿をした末に、年末に飯豊連峰縦走(12/24-30)、2月に戸隠連峰登攀(2/7-11)、夕張山地縦走(2/23-3/1)と充実した積雪期の記録が並びます。さらにクライミングも鬼が牙や福良の岩場など渋すぎます。こうした辺鄙な岩場の記録にはきれいなルート図もついていて、こうした記録をまとめる能力と努力は、よく鍛えられているなあと思います。

 北海道大学はカムエク、カムイエクウチカウシ山の写真の数々が本当に日本離れをしていて素晴らしいです。今回さらに用語解説という欄を見つけました。私以前に「EPって何でしょうか」とブログで書いたことがあるのですが、EPはアイゼン、ピッケルのことでした。納得。変わってRFがわかりませんでした。どうも北大の山岳言葉は独特です。ちょっと違う文化があるのかな?。それとも時代の差でしょうか。

 日本大学は槍ヶ岳の中崎尾根へ行っているのですが、ここのところ見かけたことのない大所帯でした。最後の集合写真で撮影者も含めると13人はいるのではないでしょうか。これだけの若い人が集まれば楽しいでしょうね。

 立命館大学は年末に聖岳東尾根を登りました。尾根を見下ろしている写真なんかはなかなかいいと思いました。アプローチは今でも「青春18切符」なんですね。こういうのを読むと学生頑張れ!と応援したくなります。タクシーの運転手によると芝沢ゲートから易老渡までの道路の修復は2年かかるとのこと。まじか〜。

 専修大学は3/2-5で蓮華岳東尾根へ。渡渉をやり過ごして悪天が来る前に素早く蓮華岳をアタックすることができました。最初にトレースがあることにびっくりしています。荒船山のアイスクライミングの写真は関西にはない明るさがあって羨ましいです。

 明治大学も蓮華岳に12/25-1/2まで。多分同じ東尾根だと思うのですが、相変わらずの重厚登山が伺えます。伝統ですね。

 青山学院大学は雪崩事故防止研究会・那須山岳救助隊と三者主催で雪崩講習会を行ったようです。計画では午前10時から午後5時半までとあり、中身の濃い内容だったのでしょう。どんなだったのか報告も楽しみにしたいと思います。こういう知識って常にアップデートする必要があるでしょうから、私みたいなオールドも聞いてみたいです。関西でもないですかね。

 新型コロナウイルスの影響はどこまで続くかわからない中、活動が思うようにならないのは可哀想です。新入生もたくさんの出会いがあるこの時期にキャンパスへ行けないのは不運としか言いようがありません。

 「当たり前のように山に行けていた時代が懐かしい」との記述もありました。
 山小屋が今年度いっぱい閉鎖されるというニュースもありました。たとえテント泊だとしてもトイレも使えないでしょうから、コロナ後は「新たな登山様式」が必要かもしれません。

 少しずつで良いから山への扉が開かれますように…。

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大学山岳部のブログから 2018〜2019無積雪期 [大学山岳部のブログから]

 勝手に大学山岳部を応援している「大学山岳部のブログから」です。久しぶりの更新となります。なんとなく単調な記録が多かった時がありまして、「もうやめようかな」と思っていたのですが、久しぶりにチェックして見ると色々と発見があったのです。

▼同志社大学の活動報告書がすごい!
 2017年7月から2018年6月までの記録をpdfにして発表しているのですが、この内容の濃さと言ったらありません。
 冒頭の主将の言葉で「5月の知床半島先端部一周と2月の西表島の縦断(敗退)と、「山岳部=山に登る」という狭義の概念に囚われずに活動できた」としているように、バラエティに富んだ活動内容となりました。今時「白馬岳突坂尾根」行ったりしますか?(昔は割とあった)。それにRock&Snow084(2019夏)にも載っていた「大峰・七面山南壁」の開拓記も掲載されています。
 この報告書は写真も豊富に使われていて、私なんかは目標とするような山行が綴られているので、非常に興味深く読むことができました。
 OBさんが「若手OB会と現役との交流について思うこと」という文を寄稿していて、山を共にすることの重要性を説いておられます。だけど難しいのだよなあ、これが…
 同志社の最近の記録も面白いです。沢登りで黒部横断をしたり(体感5割の行動時間は藪を漕いでいた)、南アルプスでは体調を崩したメンバーの搬出、サポートを全員で行ったり、鹿島槍北壁の主稜に行ったり。同志社は対象の選定にじっくり時間をかけて「探し」ます。その行為自体がとても貴重なことだという気がします。

▼法政大学が2018年10月に海外登山
 2018年10月にネパールのクーンブ山群のニレカピーク(6,169m)に再挑戦し、無事登頂することができました。2012年に挑戦し登頂できなかったもので、リベンジを果たした格好です。
(当初2019年のブログ記事だと勘違いしていました。訂正しました)

▼青山学院大学は2018年秋にネパール東部の未踏峰White Wave(6,960m)撤退
 ヒドゥン・クレバスがひどく登頂はできなかったようです。撤退の速報はあったのですが、報告の類を見つけることができませんでした。Facebookに「取り急ぎ」あげられた写真をみると、確かに氷河がズタズタです。詳細が見たいものです。
 それと気になったのがFinetrackの「カミナドーム」の使い心地です。ネパールではそこまで実感できなかったようですが、日本の冬山で使い、その内張り「ウインターライナーEXP」を絶賛しています。テント内では厚手のダウンが必要がなくなり、燃料の消費が抑えられるとか、結露しにくいとか。秋山のような快適さだったって、本当でしょうか?

▼首都大学はスコーミッシュでクライミング
 個人山行扱いになるのでしょうが、アメリカのスコーミッシュでクライミング三昧です。とても自由でいい雰囲気で登っている感じがしました。パートナーにも恵まれたようですね。

▼北海道大学は普通に利尻岳東北稜へ
 いつものことですが、私は北海道の山の知識がないので、すごさがわかっていないと思います。利尻岳の東北稜を普通に行っているのがすごいな、と。本州からはなかなか計画のできない対象です。全般にスノーシューを使っているのですが、「意外と急で固かったので途中でEP」の「EP」って何だろう?

▼今年の真砂沢は賑わったようです。
 各大学とも今年の夏合宿は「好天に恵まれた」という記述が多かったです。真砂沢に回帰しているようにも思いました。「大学山岳部のテントが増えてきた」なんて言葉もありました。そして八ツ峰Ⅵ峰を登るパーティーが多かったです。Dフェースの富山大、Aフェースの魚津高、Cフェースの剣稜会が多かったです、やっぱり。
 チンネの北条新村や左稜線、Ⅰ峰東面マイナースラブも行ったなあ…懐かしすぎる。

▼長期の山行が多くなっている
 首都大学はパートを分けてメンバーを入れかえながら日本アルプスを全縦していました。京都大学も北アルプスと南アルプスの縦走をしているのですが、このうちの一人が信濃大町から伊那まで歩いて南北縦走をつなぎ、さらに南アルプス縦走後は太平洋沿岸まで歩いたとのこと。早稲田大学はそういえばあまり記録を見たことがない飯豊縦走を3月に。暴風の中、うまく小屋を繋いで行くことができました。
 ついこないだまで「大学が忙しくて長期の休暇が取れない」と、よく聞いたのですが。もう吹っ切れたのか…

 ブログが更新されていない山岳部も多いのですが、Facebookなど様々なツールがあるので、追跡が一苦労です。もちろんクラブ活動が停滞しているところもあると思います。
 「あれっ」と思ったのが、ある伝統校です。ついこの間まで極地法を用いた重厚な冬山を行っていた(部員がたくさんいた)のですが、今回見ると雪山のメンバー写真がこじんまりしていました。さすがに部員が少なくなったのでしょうか?

 個人的に考えさせられたのが、京都府大の「あれから10年が過ぎました…」の一行でした。時の経つのは早過ぎて、遠い昔のような気がします。そして自分自身の山との関わり合いもどんどん薄れてきているような、はかない気持ちとなりました。

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大学山岳部のブログから 2017無積雪期 [大学山岳部のブログから]

 大学山岳部を勝手に応援している「大学山岳部のブログから」です。すっかり遅くなりましたが、2017年の無積雪期の記録です。
 この無積雪期は真砂沢での夏合宿がいくつか復活しているようです。栃木県高校山岳部の那須岳の遭難報告書で指摘された「恒例の合宿山行はマンネリズムに陥り、慣れを生む可能性がある」ことを考えると、毎年違う場所で合宿することは、想像以上に大事かもしれません。
 合宿後は各大学が全国に散らばって縦走などに活動を移すのですが、今年多かったのは、後立山から親不知までのコースです。最後に日本海に出るシチュエーションが人気の秘密何でしょうね。昔の知床半島縦断のようなものかと。
 そしてこのシーズンは海外での活動をした大学がありました。

■早稲田大学はネパール・ラジョダダに初登頂
 萩原鼓十郎隊長ら計3人が2017年10月17日17時30分ラジョダダ(6,426m)に初登頂。20代のOBと現役1人の計3人のパーティー。ラジョダダは3年前にネパール政府が解禁した104座のうちの一つ。情報は皆無で、公開された緯度と経度を地図上に落とし込み、この未踏峰を特定したとのこと。萩原隊長は朝日新聞のインタビューで「1年以上準備を続けていた。登頂の瞬間は残り数歩で登ってしまうんだなと少し寂しい気持ちと、人生で二度と来ない初めての未踏峰の2つ喜びを噛み締めていた」とのこと。
 写真を見ていますとても格好の良い未踏峰です。登山自体もすごいのですが、未踏峰を探す楽しみと苦労が羨ましく思います。



■同志社大学はネパールの内政混乱で、ラマ峰の許可下りず
 同志社大学山岳部は極西ネパールのラマ峰を目指しましたが、ネパールの選挙がいつ終わるかわからない(!)などの理由で、許可が下りませんでした。スーツ姿で英語での許可申請のやりとりなど苦労したようですが、山を登ること以外に学んだことは多そうです。
 その代わり、ラマ峰の偵察をして、Schwarze Wand Spitze峰の北壁ルート初登攀に成功したそうです。このルートは写真を見るとわかりますが、なかなか攻撃的なラインだと思います。すごいですね。

 それと協賛企業の応援を取り付け、それをインターネットできちんと紹介しています。早稲田はGoProのロゴを入れた動画。同志社はfinetrackのウェア、イワタニ・プリムスのガス・ヘッドと縦爪アイゼン、マジックマウンテンのロープ、アライテントのテントとザック、サタケの食料、Axeのサングラス。社会と関係を持ちながら登山することはとても大事だと思います。同志社のfinetrackの特別ページは読んでいてとても応援したくなる内容でした。今回は登れませんでしたが、いつか後輩たちがその意志を引き継いでくれることでしょう。

 それにしても伝統校が、古さを感じさせずに海外登山を実践していることに感心してしまいます。海外登山が終着点でないところが本当に素晴らしいと思います。
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「山から学ぶこと」京都府立大山岳部70周年シンポに参加して [大学山岳部のブログから]

 京都府立大学が今年創部70周年を迎えたのを記念して、6月10日にシンポジウムが学内で開かれました。シンポジウムの内容は「山から学ぶこと」です。行ってみると京府大ゆかりの講演者がずらりと並びました。

 まずは山岳会会長の挨拶。昔話のあとは、10年前の鳴沢岳の遭難で随分現役の部活動が変わったとのこと。とにかく安全が第一だと強調されていました。

 基調講演は京大出身で府大山岳部の顧問を務める牛田一成教授です。ヒトの腸内細胞がどのように進化したのかを調べているとのこと。難しい話のはずですが、京大・今西錦司氏から始まるフィールドワークの系譜を組んでいるのが感じられ興味深かったです。また技術の発達によってDNAの保存が容易となって飛躍的に研究が進んだということです。今はニホンライチョウの域外保全について研究しているとのこと。

 次は東ネパールの未踏峰ナンガマリⅡ峰登頂の竹中雅幸さん。重広恒夫さんが隊長。奈良県のある村で仕事をしているそうで、村の旗を苦労して写真に撮ったとのこと。竹中さんは出発までの難しさから、マネジメントの大事さを学んだということです。山岳部でも伝統と継続をどのようにするか、マネジメントは大事なのでは?と。

 楽しみにしていた高田直樹さん。「登山と神話」について「岩と雪」に1974年に六回連載(「岩と雪ベスト・セレクション」に一編収録)。ホイジンガー、ホモルーデンスは「遊び」を学問した。カイヨワは一番楽しい遊びは「眩暈」だと唱えた。めくるめく眩暈として山登りがあるのでは?(面白い話だなあ)
 東大谷G1積雪期初登をした。「岩と雪」四号。屏風岩1ルンゼ冬季初冬。落石の間隔が三分から五分であることがわかり、それで初登できた。八つ峰六峰Bフェース府大ルート。
 京都登攀倶楽部で雇われ隊長となる。それはラトック2峰だった。1979年ラトック1峰は英国のクリス・ボニントンがキャンセルして許可がおりた。岩登り技術応用編の映画、中日映画社で一緒に出演して顔なじみだった重広恒夫さんを口説いて隊員に引き込んだこと。(モニターに示されたラトック1峰のラインはめちゃくちゃ攻撃的でした)
 山をどう登るのか。どう生きるのか。イズムは消えた。自由・平等・博愛は看板だとわかった。遊びは百人百葉でいいのではないか。(話の拡がり具合や、どこまで本当なのかわからない話(すみません)に「なんで山登るねん」同様、引き込まれました(^ ^))
 
 その後もOBさんたちのアコンガグア登頂や、スポーツクライミングの全日本チーム公式トレーナーの話、県職員として南アルプスのシカ食害から高山植物を守る活動など、話は幅広く「山から学んだこと」が話されていきました。

 現場に行かないとわからないことがあること。主体的に取り組んでこそ面白いこと。たった一度の人生をどう生きるのかに関わること。諦めないこと。仲間を大事にすること。謙虚さを学んだこと。山が登れることはメリットであること。筑波大学にできた山岳修士を学ぶのもいいのではないかということ。

 京都府大のみんなは「自由」ですね。OBとなった今も何か山と関わりをもっているのがうらやましいと思いました。とても刺激になりました。

 植物保全をしている方が、山に登れることはすごいことだと言っていました。山というフィールドを舞台に手伝えることがあれば自分もやってみたいと思いました。


『岩と雪』 Best Selection

『岩と雪』 Best Selection

  • 作者: 池田 常道
  • 出版社/メーカー: 山と渓谷社
  • 発売日: 2017/01/20
  • メディア: 単行本



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大学山岳部のブログから 積雪期(2016冬〜2017春) [大学山岳部のブログから]

 勝手に大学山岳部を個人的に応援する「大学山岳部のブログから」です。すっかり夏だというのに積雪期のまとめです。

法政大学
冬山に選んだのは越後駒ヶ岳。年末だったので、雪が少なく工程も短く終了したそうです。インスタントカメラの写真がいい味出していました。
春山合宿は南アルプス・地蔵尾根〜甲斐駒ケ岳〜戸台を3/1-3/10にかけて。鋸岳は天候が悪く行けなかったようですが戸台まで足を伸ばしたのは偉いなあと思います。

京都大学
奥美濃の経ケ岳や三周ヶ岳、大長山などに挑戦。渋すぎます。日程が長く取れなかったからかもしれませんが、特徴のある嗜好性の強い登山は「伝統」を感じさせます。

龍谷大学は末端から槍ヶ岳・中崎尾根。学生の時に私も末端から行きました(^ ^)。
ベースからビバーグ用具を持ってアタック。時間切れと天候悪化で冬季小屋で過ごしています。寒かったでしょうね。悪天の間のわずかな時間をついてアタックに成功していました。

明治大学
どうやら爺ヶ岳南稜(12/23-12/30)に行ったようです。春山は多分、常念岳(3/9-16)と思います。いずれも比較的少ない日程で行くコースですが、いろんな練習も含めながら、長期の日程を組んでいるのは明治ならではですね。

神奈川大学がロシア・エルブールスの登山。渋いです。登頂成功です。学生山岳部がロシアの山を登るのはあんまり記憶にありません。手続きなども含めてもう少し詳しく知りたいです。

日本大学
剱岳早月尾根(12/24-1/1)実働4日、停滞5日と「冬の劔岳」らしい行程でした。困難を克服して成長する様が見て取れて、とても好感が持てました。他大学山岳部OBとの出会いも楽しさが伝わってくるようです。

戸台〜仙丈〜三峰〜赤石〜光〜大無間〜田代(3/2-3/21)移動一日、実働16日、停滞3日
4人パーティーです。特に危なかっしいところもなく、安定したペースで最後の目的地、田代まで完登しています。1年生2人がよくついていったと思います。

五月連休の奥穂高岳南稜の目的に「遠征に向けた登攀技術・ロープワークの向上」と書いています。近々海外登山の計画があるのですかね。

▼同志社大学は僧ヶ岳へ冬と春に行きました。一文が印象的でした。
僧ヶ岳は渋い山ではあるが、剱岳へと向かう稜線のスタートという特徴を持った山である。それゆえ南を向けば山々の白一色、北を向けば海の青一色の景色を見ることが出来る山だ。今回の合宿では、駒ヶ岳まで足を延ばすことが出来たので、この長大な稜線のスタートを切った気分でいる。

黒部横断の記録もありました。五竜からS字峡、ガンドウ尾根をへて劔、馬場島に下山です。五月連休の記録ですが、さらっと書いているのがすごいと思います。

同志社は極西ネパールのラマ峰に挑戦するそうです。あまりにも人が入らない地域で、山の写真もほとんどないため、ネパール政府に山の存在から証明しなければならなかったそうです。5月の偵察山行を経て、8月中旬に出発するとのこと。現地の政府も把握していない山なんてあるんだ!まだまだ地球上にはわからないことがあるんですね。ワクワクします。

▼最後に青山学院大学 テムレスの防寒手袋 以前から気になっていあのですが、青学さんも使ってみた感想として評価しています。1200円ですもんね。

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大学山岳部のブログから 2016無積雪期 [大学山岳部のブログから]

 勝手に大学山岳部の活動を応援する「大学山岳部のブログから」です。今回は2016年度の無積雪期をお送りします。

▼活動の多彩さで目を引く同志社大学
 フリークライミングは小川山や名張、さらにはヨセミテまで活動範囲を広げています。かと思えば、北アルプス縦断12泊13日という重厚な登山もやっています。ヨセミテも縦走も若者の成長に立ち会えたような気がして、読んでいるこちらまで嬉しくなってしまいます。
 しっかりしたリーダーシップをとっていないとここまでバランスのいい活動はできないだろうと想像するのですが部員紹介を見ていると4回生が元気いっぱいな感じですね。

▼今年の劔は雪が少なかった!
 年々、劔で合宿を行う大学が少なくなっているようなのですが、早稲田大学は真砂沢に定着したようです。しかしそのブログを見ていてびっくりしたのが、雪渓の少なさです。雪が少なかった年であることを考慮しても特に3枚目の写真は異常な光景ですね。遠くに真砂沢ロッジが見えるのですが、私が学生の時、谷間は滝が顔を出している以外は雪渓で埋もれていたものですが…
 日本大学の記録には、雪渓が切れて八ツ峰6峰Cフェースに取り付けなかったとの記述もありました。

▼早稲田にヨセミテ帰りの4回生
 7月まで米・オレゴンで留学していた4年生がEl Capitanノーズの登攀というお土産を持って帰ってきました。物怖じしない堂々としたものです。彼はその後も瑞牆や滝谷など行ってます。部への影響が大きそうですね。

▼沢も岩も縦走も 首都大学東京
 滝谷といえば首都大学東京もドーム中央稜とクラック尾根に行きました。私たちの世代にとっては東京都立大学で馴染みのある首都大学東京は、沢も縦走も男性も女性もいて楽しそうで多様な登山をしているようですね。

▼長大な縦走が目立ちました
 先ほどご紹介した同志社大学の北アルプス縦断12泊13日(上高地〜北穂高〜槍ヶ岳〜白馬〜日本海)。首都大学東京の南アルプス9泊10日(夜叉神峠〜甲斐駒ヶ岳〜北岳〜光岳〜畑薙ダム)。日本大学の南アルプスは台風に3回も影響を受けながらも14泊15日(夜叉神峠〜甲斐駒ヶ岳〜北岳〜光岳〜大無間山〜田代)。もちろん明治大学も9泊10日で南アルプス縦走(広河原〜北岳〜荒川岳〜畑薙ダム)しています。

 先日、立山で東京工業大学のワンダーフォーゲル部が雪崩で遭難しました。山岳部のみなさんもくれぐれも事故のないよう気を引き締めて冬のシーズンを迎えてください。クラブが順調な時ほど要注意だと思います。

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