坊主滝は左岸のルンゼを登り、すぐにかん木の中に入ります。踏み跡をたどりすぎると大きく高巻いてしまうので、降り口を慎重に捜すと坊主滝の落ち口に着きました。

 さらに滝を越えていくと左俣との出合いに到着します。右俣にかかっているのがこの滝です。



 ここは左岸を念のためロープを出しました。残置ハーケンもありました。ここを過ぎてしばらく河原状をえっちらこっちら進みますと、滝が出てきました。



 ここは右の岩に押さえられながら、ロープなしで突破。さらに滝場が続きます。これが奥千丈滝の始まりだったのですが、この時点では「トユ状」の認識があんまりなく、ひたすら滝の突破に集中していました(^^ゞ



 いろんな記述を見ていると「ロープは出さなかった」というのが多いのですが、私たちは「ベタ張り」です!だって「バランスを崩したら」と考えるだけで恐いんです。



 通過して「あ~これがトユ状だったのか」とあわてて写真を撮りました。岩壁がちょっと白く飛んでしまいました。



 トユ状を抜けると広々としたスラブ滝になります。



 ここまで3ピッチ。徐々に左岸の草付きの方に追いやられます。そこからさらに1ピッチ、スラブから草付きの中に入って行くと久しぶりの平地に着きました。「中段テラス」です。このあたりとても気持ち良い眺望です。



 左岸側には坊主岩の正面壁がそびえたちます。坊主岩は80年代後半には新ルートが作られたりと割とまだ登られていたのに、今はさっぱり聞かなくなりましたね。

 

 中段テラスからは草が生えたクラックを踏みつけるようにして左岸側をトラバース。落ち口に出る手前はお助けシュリンゲがありました。私たちは50mロープいっぱいでぎりぎりでした。パートナーさんは「ここはあんまり怖くなかった」とのことでした。

 これで「奥千丈滝を越えた!」とホッとしたのですが、まだまだ滝が続きます。



 「通称ゴツゴツ滝」は簡単に登れたのですが、2つ目、3つ目は念のためロープを出しました。



 特に3つ目は水流から左に逃げるのですが一歩が出ず、残置ハーケンのシュリンゲでA0しようとしたら、シュリンゲは「掛かっているだけ」の状態でびっくり。仕方なくナッツでA0しました。上の写真は「3つ目」を見下ろしたところ。

 この先の「3本柱」のような滝もロープを出します。樹林帯を終了点とすると、踏み跡っぽいのが付いているので、緩い沢状のところを詰めまで登り、左手への降り口を探しているとようやくザレ状のところから沢筋に戻ることができました。奥の二股からの三段の滝などが一望できました。

 沢筋を見下ろすと、緑の平地があったのでそこを本日の幕場としました。ここがインゼルというのかな?ここにも雪渓が残っていました。

 あ~しんどかった。でも核心部分を越えることができて、一安心です。しかしこんなにロープ張ったパーティーはいないんではないでしょうか(^^ゞ

◆南ア・甲斐駒ヶ岳、黄蓮谷右俣沢登り
2012年8月25日~27日
1.尾白川林道ゲート(7:20/8:30)林道終点(8:45/9:00)入渓点(9:00/9:45)ワイヤ滝(/12:30)千丈滝下(/13:30)坊主滝下T.S

南ア・黄蓮谷右俣1 林道~坊主滝まで巻きまくりでした!

2.T.S(6:20/7:10)二俣(7:20/10:10)奥千丈滝中段テラス(10:20/14:30)インゼルT.S

3.T.S(5:15/8:30)稜線(8:30/8:35)甲斐駒ヶ岳(9:00/12:15)北沢峠