アプローチでバテバテとなってしまった私たち…昨夜に打ち合わせたとおり、北鎌を一日で抜けられない場合を想定して水をあわせて7.5リットル荷揚げすることに。重いけどこれで気は楽になりました。



 北鎌沢は出合から20分で左俣を分け(ここで水を汲んだ)、見た目はしょぼい右俣に入っていきます。とにかくどんどん登ります。先行者が2人いましたが、どんどん離されて見えなくなりました。



 晴れているのでルートは明瞭です。上の写真で右の最低鞍部を目指すだけ。踏み跡もあって、とくに迷うようなところはなかったと思います。「×」印のマークは見つけられませんでした。



 そのうち右側の露岩に踏み跡をみつけ(下の写真)、最後に左にトラバースすると北鎌のコルに到着しました。



 ここまで3時間もかかりました。開き直って大休止をとりました(^^ゞ。北鎌のコルはうわさ通りハエが多かった(ToT)/~~~



 北鎌のコルからはブッシュの中の踏み跡をたどります。ここで後方から来た単独行の男性に先を譲ったのですが「北鎌沢」で迷って時間をロスしたとのことでした。やっぱりルートファイニングは難しいのかな?岩場も出てきたのでヘルメットをかぶります。

 やがて見えてくるのが独標です。う~ん、すごいなあ。20数年前の3月に来た時はルンゼにルートをとって正面を突破した(はず)のですが、いったいどこを登ったのだろう?



 もちろんこの日は「トラバース道」を選びます。下の写真は独標基部のトラバース出だしのポイント。とくに難しくはなかったです。



 トラバース道は独標から千丈沢側につけられた踏み跡です。遠くから見ると「どこに道があるんやろ?」と不安になりますが、近づいてよくみるとなんとかわかりました。



 わりとすぐに出てきたのだが「オーバーハング岩」。一段下にもスタンスがあって難しくはなかったです。高度感はありますけどね。ちょこっと四つん這いになりました。



 トラバース道は最小限の岩場通過はありますが、よく考えられた道だと思いました。写真で見ると難しそうに見えるかもしれませんが、歩いている最中は夢中で怖さは感じませんでした。



 さらに出てきたのが数メートルのチムニー。シュリンゲは使わせていただきました。チムニーを越えてから緩傾斜面を登って独標へ行く人もいるそうですが、私たちはパス(^-^)します。



 一度、稜線に戻ると見えたのが槍ヶ岳の大槍です!



 独標を越えると次はP14。どこがP14なのかいまいちはっきりしませんが、とにかく「白い岩」のクラックではロープを出して安全を期しました。体力不足の我々ですから、荷を背負ってバランスを崩すのが怖いのです。

 振り返ると穴のあいた岩が見えました。そろそろ疲れてきました。このまま槍ヶ岳山頂を目指すと時間が午後5時を超えてしまうだけなく、注意も散漫になってしまいそうです。



 2時をすぎてテン場を探しながら歩いていると、千丈沢に張り出している尾根の途中に更地を見つけました。「もうここでいいか」と幕営を決めます。



 ここから見る小槍の北西面はすごいです。本で読んだヨーロッパアルプスの岩壁の写真を思い出しました。このアングルで槍を見るだけでも価値があると思いました。いつまでも見てられる光景でした。



 後方から男女ペアが来られました。昨日テン場でお会いした湯俣から来たパーティーです。淹れたてのコーヒーをあげて話を聞くと、北鎌のコルから迷って1時間ロスしたとのこと。前述した男性もそうですが、初見でこの尾根を登るのはなかなか難しいですね。元気な女性で「今日中に槍を超える」とのこと。

 時間もたっぷりあるし、外で焼酎を飲みながら、山の話をあれやこれやします。黒部源流の山々を見ながら・・・やっぱり山ではこういうゆっくりする時間がないとダメですよね(^^♪

◆槍ヶ岳・北鎌尾根
2013年8月17日~19日

1.上高地(6:10/13:30)水俣乗越(13:35/16:10)北鎌沢出合T.S
アプローチの水俣乗越が核心!?

2.T.S(5:10/8:00)北鎌のコル(8:30/14:30)P14千丈沢側巻き途中T.S

3.T.S(5:00/7:45)槍ヶ岳山頂(8:00/8:15)槍ヶ岳山荘(9:00/14:45)新穂高
穂先クライミングで・・・「チムニー」はどこ?