「北鎌尾根から西穂高まで行けたら格好いいな」と、いつからか考え出し、インターネットを見てみたら結構やっている人がいるのです。いつものパートナーさんも「北鎌尾根を登りたい」とのこと。

 仕事前や昼休みに打ち合わせを重ね、休みの都合をつけて、金曜の晩に「さわやか信州号」に乗り込みました。1日目に北鎌沢出合まで、2日目に北鎌尾根を登って、3日目に大キレットを通って奥穂山荘まで、4日目にジャンダルムを通って西穂までというなんとも欲張りな計画です。



 サービスエリアで途中2ヵ所の休憩をはさみ、6時半に上高地バスターミナルに到着しました。登山届を出してさっそく出発です。河童橋の見慣れた風景もなんとなく慌ただしく過ぎ去ります。この日は水俣乗越を越えて北鎌沢出合までの長距離・長時間を歩かなければなりません。


 
 徳沢、横尾、槍沢ヒュッテを通り過ぎ、ババ平で水を補給します。2人ともここまで非常に快調に進んでいます。目の前の尾根が東鎌尾根です。ここから大曲まで歩き、そこから水俣乗越まで急登です。



 大曲から水俣乗越へは最初沢筋で、すぐに左手の樹林帯の中の道を登ります。日射がきつく暑い!30~40分歩いては休むペースにダウンしました。本当にきつかった。13時までに着けばいいなあと思っていましたが、13時半に到着。



 「さあこれできょうの登りはない」と気を取り直しましたが、天上沢に向かってザレ場を下りだすと、楽勝ムードが吹き飛びました。足下がことごとく崩れ、体勢を維持するのに必死でした。



 右岸につけられた踏み跡をたどりなんとか雪渓のところまで下りてきたのですが、雪渓が上部で大きく割れているのを見ているだけに、あまり信用もできず、左岸にわたってザレ場を歩きます。ザレ場は相変わらずです。



 「あ~疲れた~」大声で叫びたい気分です。水俣乗越からの下りがここまで気を遣わなければならないとは想定外です。河原歩きも石が不安定でしんどい。見上げると「延々と長い(そう思えた)」北鎌尾根の稜線が続いています。



 16時過ぎ、2人ともバテバテで北鎌沢出合に到着しました。



 私は夕食のジフィーズもなかなか喉を通りません。ちょっとした脱水状態でしょうか?とにかく身体に水分が足りません。本来ならあすじゅうに北鎌尾根から槍ヶ岳を越え、槍ヶ岳山荘まで行くつもりでしたが、この状態では無理と判断。あすは北鎌尾根上で泊まることを想定し、水を持ちあがることを決めます。

 この日の北鎌沢出合は6パーティくらいいて、ほとんどは水俣乗越からのルートだったのですが、1パーティだけ湯俣からの2人がいました。胸までの渡渉や高巻きをしたとのこと。

 やはり北鎌尾根は奥深いところにいるなあと実感します。水俣乗越に戻るのもこりごり、湯俣に下りるのも相当な苦労、貧乏沢もしんどそう。「退路は断たれた」気分です。行程後半の穂高への縦走はカットがほぼ決定的です。

 ここはもう腹を決めて「キタカマをやるしかない!」のです(ToT)/~~~

◆槍ヶ岳・北鎌尾根
2013年8月17日~19日

1.上高地(6:10/13:30)水俣乗越(13:35/16:10)北鎌沢出合T.S

2.T.S(5:10/8:00)北鎌のコル(8:30/14:30)P14千丈沢側巻き途中T.S
トラバース道はわりと明瞭…小槍の岩壁はスゴイ!

3.T.S(5:00/7:45)槍ヶ岳山頂(8:00/8:15)槍ヶ岳山荘(9:00/14:45)新穂高
穂先クライミングで・・・「チムニー」はどこ?