ゴーロ帯の通過に予想以上に時間を取られました。今日は第2の核心、ゴルジュ帯の通過です。



 CS滝は「北アルプスの沢」(豊野則夫)に記述されている「右岸に残置スリング」はなく、右岸の滝場からロープを出して藪の中に入ります。藪に入ってから古いスリングに安全環付カラビナがぶら下がっていました。念のためさらにロープを2ピッチ伸ばします。

 その後も左岸の巻きで懸垂下降をしたり、ハーケンの打たれた3mほどの岩場にロープを出して突破したり(バランスが難しかった)と、いろいろと忙しくさせてくれます。

 そしていよいよ仙ノ淵です。なるほど左岸のカンテは登れそうですが、私たちはすぐに右岸を巻くことに(^ ^)。



 枝沢から微かな踏み跡にはいり、落ち口までトラバースしていきます。巻き道途中で左岸カンテのルートを見ましたが、カンテ後の処理の方が難しそうでした。
 打込谷は全体的に踏み跡が明瞭でなく、当てが外れました(^ ^)。



 苔むした10m滝は、右岸をヘツリますが水深が深く、足ブラのハンドトラバース。滝に取り付くと楽しく登れました。



 地図上でU字状にクランクしているゴルジュを抜けると、左から支沢が入り、右の本流には滝の連瀑です。



 滝を右から上がっていくと目に飛び込んだのが、大釜を持つ10m滝です(午前10時)。人知れず絶えず水を落とし大釜が形成された…。なんとなくターザンの映画に出てくるジャングルの中のオアシスを思い起こしました。右岸から巻きます。



 空が開け笠ヶ岳の稜線も見えてきました。しかしここからインゼル地帯が約4時間続いたので、わりとしんどかったです。何個もインゼルをやり過ごすと、午後2時にやっと35mのナメ滝が現れました。滝の右端を登りきると…



 ナメ滝です!



 ここのナメ滝は赤い岩床が特長です。この辺りは非常に気持ち良く、わ〜いと歓声が上がります。



 30mナメ滝は右岸のバンド状を上がりますが、最後に左岸に渡る際のクライムダウンが恐いので、お守り代わりにロープを出します。



 午後3時半、やっと二俣に着きました。二俣は右へ。テン場を探さなければなりません。ここからもう少し上がった2100m付近の平らな岩棚の上でツエルトを張ります。流木がなく焚き火ができなかったのが残念です。



 夕方、パラパラと雨が降りました。明日の天候は悪くなるのは確実です。早めに稜線に上がりたいところです。

※後で当日の天気図を見ると朝鮮半島の東に低気圧、台風が日本の東海上にあって、オホーツクの高気圧がちょろっと日本列島上に舌を伸ばすように張り出しています。よくこれで天気がもったなと思いました。

■北アルプス・金木戸川打込谷 2016/8/13-15
1 金木戸川林道ゲート(5:55/11:20)壊れた吊り橋(12:00/12:45)打込谷出合(12:45/15:15)18m滝越えた右岸TS
2 TS(5:15/10:05)大釜15m滝(10:05/15:30)二俣(15:30/16:00)2100m付近TS
3 TS(4:55/5:15)奥の二俣(5:15/9:20)一般縦走路(9:30/15:20)新穂高



北アルプスの沢 (沢登り特選ガイド)

  • 作者: 豊野 則夫
  • 出版社/メーカー: 白山書房
  • 発売日: 2006/07
  • メディア: 単行本