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北ア・金木戸川打込谷2016 1日目・本流渡渉は余裕でしたがゴーロ帯が… [北ア・金木戸川打込谷 2016年8月]

 昭和58年に初版された「日本百名谷」に打込谷が載っています。今となっては何を基準に百の谷をセレクトしたのかよくわかりませんが、私が学生だった頃には、この本に紹介された谷はお墨付きをもらったような、それなりに価値を与えられていたように思う。打込谷は飛騨山岳会の瀬木紀彦さんが文章を担当しています。

むしろ支流である小倉谷、打込谷の方が個性的なものを持っている。あえて本流を避けるのはそんな次第である。前者は狭く暗い谷であるのに対し、打込谷は大きい滝もいくつかあるが、ナメ滝ナメ床のすばらしい谷である。終始明るく、いつも陽の当たる谷である。


 「終始明るい」この言葉がずっと頭の中に残っていたところ、いつものパートナーさんから「打込谷」の打診があり、トントン拍子で話が進んで計画が出来上がりました。

 深夜の高速を飛ばし、3時頃に金木戸川の林道に到着。仮眠して5時前に起床します。林道終点の待避所には車が2台駐車していました。そこで身支度を整えさあ出発です。 

金木戸川林道ゲート

 実は25年ほど前、双六谷本流〜九郎右衛門沢を遡行したことがあります。この時はまだ就職したてで、体力がまだありました。今回は大丈夫でしょうか。

林道には手掘りのトンネルがいくつもある

 トンネルは昔はもっと手掘りのものが多かったはずですが、多少手が加えられているようです。コンクリートで所々補修されていました。

広河原の取水堰堤

 ゲートから3時間で広河原の取水堰堤に到着です。そこで林道は消え、踏み跡を奥まで行くと、小倉谷の出合で道は左の斜面に登っていきます。

小倉谷出合で左手への踏み跡を登る

 50mほど上の道は昔、森林軌道と言われる道です。こんなところを鉄道が走っていたなんて信じられません。伐採と植林が行われていたような痕跡などないのですが…それと不安になったのが黒い大きなぶどうの巨峰くらいの大きさの糞が軌道跡にあったことです。クマの糞だったらと考えると、前方左右に気を配りました。これも疲れた。

ところどころ道が崩壊している。ロープが助かります

 森林軌道跡は所々道が崩壊しています。でもそんな所には、補助ロープがあって助けてもらいました。ブッシュもひどくなるし、アザミも出てきて「しんど〜」と声が上がります。やがて壊れた釣り橋のところにやってきました。

金木戸川に架かる壊れた吊り橋

 吊り橋の上流側から遡行開始です。すぐに対岸に渡渉を試みます。実は金木戸川本流の渡渉が第一の核心と考えていました。増水時はここで撤退するパーティーもあるようですが、今回は股上程度で余裕で通過!晴天が続いていて水量が少ないだろうとの読み通りでした。これは行けるぞ!と意気が上がります。

金木戸川渡渉は股程度で余裕でした

 しばらくして左岸に大きな支流が入っています。打込谷です。全く平凡な出合です。

打込谷出合は平凡

 ゴーロ帯が続くのですが、これが思いの外しんどかったです。大きなゴーロに阻まれて右へ左へ。お助け紐が何度も出動しました。ボルダリングを楽しめるパーティーならなんてことないのでしょうが、私たちはドタッ、バタッといちいち時間がかかるので、そのうち全身汗でびっしょりと成りました。あまりにも変化のないゴーロが続くので「本当に打込谷を遡行しているのか?」と心配したほどです。

ゴーロ帯が長くて時間を取られる

 F1ははっきりしなかったので、F2が出てきてホッとします。右岸から巻きました。

やっとF2に着いた。右岸を巻く

 F2の到着がすでに15時前です。ここから続くゴルジュ帯に入り込むにはちょっと時間が遅いので、巻き終わった右岸に適地を見つけ早々と幕営することを決定します。

1泊目の幕営地は右岸で

 林道、森林軌道は予想通り。金木戸川の渡渉は楽勝で通過。しかしこのゴーロ帯は想定以上。数日前と思われる先行者の踏み跡は確認できるのですが、全般的に人の気配を感じさせない谷です。ちょっと不安になってきました…それと魚影を全く見かけません。釣りが目的でもないのですが、どうしたことなんでしょうか?
 

■北アルプス・金木戸川打込谷 2016/8/13-15
1 金木戸川林道ゲート(5:55/11:20)壊れた吊り橋(12:00/12:45)打込谷出合(12:45/15:15)18m滝越えた右岸TS
2 TS(5:15/10:05)大釜15m滝(10:05/15:30)二俣(15:30/16:00)2100m付近TS
3 TS(4:55/5:15)奥の二俣(5:15/9:20)一般縦走路(9:30/15:20)新穂高


北アルプスの沢 (沢登り特選ガイド)

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  • 作者: 豊野 則夫
  • 出版社/メーカー: 白山書房
  • 発売日: 2006/07
  • メディア: 単行本


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コメント 4

creeker

本当に素晴らしい谷ですね!
こんな綺麗な渓谷で幕営とはとても羨ましいです。
ゴルジュを見ると越えたくなるんですよね~(笑)
by creeker (2016-08-19 00:53) 

RW

北アルプスの相当なる秘境地帯ですね。是非ともここに行ってみたいです。こちらは40年前の北アルプスでの若かりし氏頃の写真を公開しております。ツェッペリンも・・
by RW (2016-08-20 09:36) 

かばたん

creeperさん、本当に綺麗な沢でした。でも増水時は非常に危険だそうですよ。地元の沢と比べると、アルプスのゴルジュはスケールが大きいですね。
by かばたん (2016-08-21 09:07) 

かばたん

RWさん、クラブのOB会見ました。楽しそうですね〜。羨ましいです。
by かばたん (2016-08-21 09:09) 

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