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北ア・裏銀座縦走 2015年7月 ブログトップ

北ア・裏銀座 50歳前後の2人パーティーでテン泊縦走〜3日目西鎌尾根を登り一気に新穂高まで [北ア・裏銀座縦走 2015年7月]

西鎌尾根 ラテ行動で出発

 夜半から風が強く、テントのフライシートがパタパタ音を出していました。最近のテントは静かですね。うちのテントだけです。こんなに騒がしいのは…
 さて予報通り天気がよくありません。南からの強風の中、ラテ行動です。

強風の中、西鎌尾根へ

 樅沢岳を登りきります。ガスと強風でパートナーさんは弱気を口にします。実は調子がよくなかったそうですが、そうとは気づかない私は「行きましょう!」と前進あるのみと主張。すみませんでした(⌒-⌒; )

西鎌尾根 ガスが晴れない

 樅沢岳からはがくんと高度を下げます。そうこうしているうちにガスが一瞬切れて、尾根筋が見渡すことができました。

 西鎌尾根 ガスが一瞬晴れた

 こういう瞬間がいいんですよね〜。遠くには焼岳がきれいに晴れて見えます。

西鎌尾根 硫黄乗越までは比較的緩やか

 硫黄乗越を越えてだんだんと険しい尾根筋となってきました。正直なところここまではどうってことない尾根です。

西鎌尾根 行く手に核心が迫ってきた

 アップダウンはさほどないので、私たちには助かりました。行く手の岩場まで来てみると

西鎌尾根 だんだん険しくなってきた

 がれ場の通過です。しかし要所要所には鎖も設置されています。

西鎌尾根

 さすが人気縦走路だけに、気をつけて歩けばさほどの困難さはありません。

西鎌尾根の要所には鎖が設置されている

 そんな時、ガスの中に槍ヶ岳のシルエットが…適当に方向を向けてシャッターを切ってみると、割と幻想的な写真がとれました。

ガスの中の槍ヶ岳

 やっと千丈乗越が近づいてきました。

千丈乗越が見えてきた

 千丈乗越に着くと、すごい強風です。雨具がパタパタと絶えず音を出しています。またここからの登りはしんどかったです。もう嫌になりました。とはいうものの足を動かしてさえいれば、いつかは着いてしまいます。槍ヶ岳に到着です。ほんの一瞬ガスが晴れました。登山者が鈴なりになって登っているのが見えました。

ガスが一瞬切れて槍ヶ岳が見えた

 槍ヶ岳の頂上を往復すると少なくとも1時間くらいはかかりそうです。先を急ぐことにして、頂上往復はカット。天気も悪くなりそうです。
「あす雨の中、ぐしょぐしょのテントを畳むのは嫌だ」と意見一致。
「今日中に帰ろう!」と気持ちを一緒にして飛騨沢を下りだします(^ ^)

飛騨沢を下り出す

 飛騨沢の下りはいつ来てもうんざりするぐらいの長さですが、街に出るのは一番早い。途中からいよいよ雨に降られながらも、なんとか15時半すぎに新穂高に着いたのですが、なんとこの日は温泉がすべて休みとのこと。え〜そんなことあるの?バスの人と話していると平湯のバスセンターの3階に温泉があるという。平湯で松本行きに乗り換える際に30分の乗り継ぎ時間があるので、「超特急」でお風呂に入ってまたバスに揺られ、松本で駅前の「和利館」という居酒屋に入ってビール飲んだらすっかりいい気分になって特急「しなの」に乗って家路につきました。

 例年と違って今年の夏は一般縦走路で、緊張するような山行ではありませんでした。体力的にはしんどかった思いと、「12時間行動がまだできるんだ」との思いと、交錯しています。たまには縦走もいいもんだなと思いました。

 裏銀座は北アルプスのど真ん中をいくよいルートでした。これだけ360度すべてに有名な山があって展望の良いコースはちょっと思い当たりません。しんどいですがお勧めします。天気さえもつのであれば3泊4日か、もっとゆったり4泊5日できればいいですよねー。

◆北アルプス・裏銀座縦走 2015/7/20-22
1日目:高瀬ダム(7:55/13:10)烏帽子小屋(13:15/14:00)烏帽子岳(14:30/15:00)烏帽子小屋
2日目:烏帽子TS(4:15/7:40)野口五郎岳(8:00/10:50)水晶小屋(11:10/13:50)三俣山荘(14:10/16:50)双六山荘
3日目:双六TS(4:20/7:50)千丈乗越(8:05/9:20)槍の肩(9:50/15:35)新穂高温泉


大きな地図で見やすいガイド 北アルプス北部・白山

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 山と渓谷社
  • 発売日: 2015/07/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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北ア・裏銀座 50歳前後の2人パーティーでテン泊縦走〜2日目双六まで頑張る [北ア・裏銀座縦走 2015年7月]

三ツ岳 左のジグザグ道を登る

 翌朝は4時10分過ぎに烏帽子小屋のテン場を出発。まだ薄暗くラテ行動だが、先行者もいる様子。やがて朝日が登った。きょうはピーカンだ。立山方面も良く見える。

立山・剱方面

 三ツ岳へはジグザグの道が切られていて歩きやすい。山頂部に着き、トラバース道を選ぶ。途中の雪渓で水を汲むことができた。ここからは野口五郎岳へのわりと平坦な道。

野口五郎岳への登り

 野口五郎岳も巻くことができそうだったが、せっかっくだからと頂上に来てみた。

野口五郎岳

 驚いたことに北アルプスの「へそ」に来たようなど真ん中にいることが実感できた。槍ヶ岳、穂高連峰、北鎌尾根、硫黄尾根、表銀座コース、水晶岳、鷲羽岳、黒部源流の山々など…

野口五郎岳から槍穂高の展望

 まだ登ったことのない薬師岳も大きなカールに残雪を抱えている。こう見ていると立山からの縦走は越中沢岳の登りがしんどそうだ。赤牛岳の読売新道も長い尾根だなあ。

薬師岳

 野口五郎岳の展望は本当に素晴らしい。立山方面も見えるし、笠ヶ岳なんかも頭を覗かせている。芸能人と同じ名前だから、勝手にちょっと軽く見てしまった。反省します。

真砂岳への道

 真砂岳を経て東沢乗越へ。大学の時に東沢を遡行してこの乗越まできたのを覚えています。その時はガスと雨で水晶小屋まで必死で登ったのを覚えています。東沢はなんの変化もない沢でしたが、いまは結構残雪が残っていますね。

東沢乗越

黒部川東沢を乗越から見下ろす

 この尾根は岩がゴロゴロしていて結構骨が折れました。アップダウンを繰り返します。水晶小屋は近くに見えているのに、かなり遠い!精神的にやられました(´Д` )

水晶岳

 水晶小屋に着きましたが、水晶岳往復はカットすることにします。小屋に張り出されていた天気予報では明日の夕方には天気が崩れそうとのこと。先を急ぐことにします。小屋を回り込んでみると

水晶小屋裏から見た雲ノ平

 黒部源流の山々が見渡せました。雲ノ平も天気が良い時に初めてみました。雄大な景色ですね。確かにこれを見ると雲ノ平に行ってみたくなります。

黒部源流の山々

 鷲羽岳に登るかどうか議論となりましたが、バテ気味なので岩苔乗越経由で行くことにしました。しかしこの道には雪渓が残っていて、私は非常に怖かったです。むかし三の窓で通過後すぐに雪渓が崩壊した経験があるものですから…一般ルートにするには条件が悪いと思いました。

岩苔乗越から黒部源流方面

 三俣山荘でミーティング。時間的にはテントを張っていい時間ですが、あすの行動に余裕をもたせるため双六小屋まで足を進めることにしました。こういうときのパートナーさんの意見は「タフ」だなあと感心させられます。下の写真は鷲羽岳バックの三俣山荘です。

三俣小屋を見下ろす

 双六小屋へは巻道を利用しました。非常に楽なトラバースでした。でもところどころに雪渓があります。アイゼンの着用が呼びかけられています。

双六小屋への巻き道

 それが終わって双六小屋への下りです。この下りは結構こたえましたが、ご褒美に生ビールを飲みました。ピーナッツの塩気がおいしいです。17時前のテン場着で12時間以上行動しています。もう疲れた〜!

双六小屋への急な下り 左はテン場

 さああすはいよいよ西鎌尾根です。しかしお天気の崩れがはやまりそうです。あす槍の肩で泊まるのはなく、できるだけ降りようと話し合います。

◆北アルプス・裏銀座縦走 2015/7/20-22
1日目:高瀬ダム(7:55/13:10)烏帽子小屋(13:15/14:00)烏帽子岳(14:30/15:00)烏帽子小屋
2日目:烏帽子TS(4:15/7:40)野口五郎岳(8:00/10:50)水晶小屋(11:10/13:50)三俣山荘(14:10/16:50)双六山荘
3日目:双六TS(4:20/7:50)千丈乗越(8:05/9:20)槍の肩(9:50/15:35)新穂高温泉


大きな地図で見やすいガイド 北アルプス北部・白山

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北ア・裏銀座 50歳前後の2人パーティーでテン泊縦走〜1日目ブナ立尾根しんどかった [北ア・裏銀座縦走 2015年7月]

 毎年「夏山どこに行こうか」と考える時に、「体力的にちょっと」というのが増えてきました。そうなると登山対象も自然と限られてきます。「そもそも自分たちの体力ってどれほどなのだろうか?」

 当初北海道の山行を計画していたのですが、台風11号のノロノロとした接近と太平洋高気圧の押し出しの弱さに当初案を断念。休みはあるので、この際、一般縦走コースで体力を見極めようということになりました。その一般縦走コースとは「北アルプス裏銀座」。一般的すぎてこれまでに考えたこともなかったところです!

 計画では3泊4日ですが、いざとなれば小屋にお世話になればいいという気持ちでした。でも、こんな機会でもないとなかなか行けないルートです。

 前日は松本に泊まり、5時58分始発の列車に乗って信濃大町へ。信濃大町からタクシーに乗ると8千円くらいで高瀬ダムに到着です。学生の時の北鎌尾根以来の高瀬ダムです。

高瀬ダム

 ダムの向こうにはブナ立尾根が稜線までせり上がっています。「あれを登るのか〜」噂通りの北アルプスの三大「バカ尾根」です。(燕の合戦尾根とあとひとつどこでしたっけ?)

高瀬ダムの向こうにブナ立尾根が見える

 ブナ立尾根はさっそく急登が始まります。ハシゴや階段が設置されていて、ジグザグを切りながら、どんどん高度をあげていきます。大体200m高度を稼ぐたびに休むペースです。

ブナ立尾根を登り出す

 前後して登っていたのは71歳のおじいさんなど三人パーティーと単独の方。皆さんお元気です。いったいどんな生活をしたらあんな体力を維持できるのでしょう?

71歳の男性も元気だ

 シャツが汗でボトボトになった頃ようやく稜線に上がり、樹林帯を少し下ると青い屋根の烏帽子小屋がありました。キャンプ場の手続きをしてから、さっそく烏帽子岳にピストンしに行きます。

烏帽子小屋

 燕岳を思い起こす砂礫がまぶしい稜線が続いています。ちなみに先に見えているのはニセ烏帽子です(^ ^)。あそこまでだったら楽なんですけどね〜

烏帽子岳への道は砂礫の道だ

 稜線上はいろんな高山植物が咲いています。中でもコマクサがこんなにきれいに咲いているのを、実は初めて見ました。

コマクサ

 ニセ烏帽子を越えると、烏帽子岳が見えました。格好いい〜!

烏帽子岳が格好良い

 烏帽子のクラックは、岩が積み上がった感じで、ちょっと瑞牆を思い起こします(行ったことないけど…)。誰か登ってるんだろうなあ〜

烏帽子はクラックが豊富

 烏帽子岳への最後は鎖場が出てきますが、落ち着いて登れば大丈夫。

烏帽子の登りは鎖場もあり

 頂上は岩塔となっていて、写真の岩塔の間までしか、さすがに行けませんでした(^ ^)。いま思い出すと、ボルトがいくつも埋められていたので、それは岩塔に登るためのビレー点かもしれませんね。

烏帽子の頂上にはステップがあった

 あす登る予定の三ツ岳方面です。長そうです。

三ツ岳方面 長そうだ

 元来た道を帰っていると、高瀬ダムの近くに岸壁が見えました。唐沢岳幕岩です。最近は登られているのでしょうか?

唐沢岳幕岩が見えた

 テントを張ってから小屋へ戻り、ビールを飲みながら(訳あり商品ということで半額の¥300でした)16時の天気図をとりますと、高気圧の張り出しが相変わらず弱いようです。あすは晴れそうですが、不安定なお天気には引き続き警戒が必要となりそうです。
 テント場はブユがいっぱいいて何箇所か噛まれてしまいました(´Д` )

烏帽子のキャンプ場

 しかしブナ立尾根は噂通りの急登でした。とにかく登り一辺倒です。さすがに体力を使いましたし、足も何度も吊りそうになりました。はぁ〜、こんなんで最後まで行けるのか不安です。あすは長丁場となりそうです。

◆北アルプス・裏銀座縦走 2015/7/20-22
1日目:高瀬ダム(7:55/13:10)烏帽子小屋(13:15/14:00)烏帽子岳(14:30/15:00)烏帽子小屋
2日目:烏帽子TS(4:15/7:40)野口五郎岳(8:00/10:50)水晶小屋(11:10/13:50)三俣山荘(14:10/16:50)双六山荘
3日目:双六TS(4:20/7:50)千丈乗越(8:05/9:20)槍の肩(9:50/15:35)新穂高温泉


大きな地図で見やすいガイド 北アルプス北部・白山

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  • 発売日: 2015/07/10
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