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岩手・花巻で宮沢賢治と鉛温泉を巡り、盛岡で満開の石割桜を堪能 [東京での登山と日常]

 東北の岩手を妻と旅してきました。1日目の訪問地は宮沢賢治ゆかりの花巻です。宮沢賢治は岩手県花巻市に生まれ、農学校の教師を経て農業に転職。37歳で死ぬまでに出版した作品は「注文の多い料理店」のみ。死後に「銀河鉄道の夜」などが評価され、今では誰もが知る作家です。岩手県を「イーハトーブ」と称する理想郷とし、作品にも岩手県の地名が多く出ています。

宮沢賢治記念館 心象世界

 新花巻で新幹線を下車し、タクシーに乗ってさっそく宮沢賢治記念館へ。ホールには略歴の他、科学、芸術、宇宙、宗教、農など6つの分野ごとに資料が集められ展示されています。(たぶん著作権の関係で)一部をのぞき写真撮影はOKでした。

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 今回の旅に際し「銀河鉄道の夜」を青空文庫で再読しました。断片的な事柄が夢のように次々と起こります。めくるめく情景描写が光と色彩にあふれていて、サイケデリックとも表現できそうな、ぶっとびぶりです。すごいな…。小さい時に読んだときに全く意味がわからなかったのも当然、今でもわかりにくい…
 「銀河鉄道の夜」は未完の作品なので、余計にわかりにくいのかもしれません。奉仕の精神、自分だけでなく多くの人が幸せになることが大事だとする宮沢賢治の通念が根底にあるのですね。

宮沢賢治のスケッチ

 記念館では残された原稿や顕微鏡をのぞきながら描いた絵画、チェロ(セロ)弾きの楽譜、友人への手紙など資料、法華経、国柱会への傾倒などの資料が集められて宮沢賢治の実像に迫ろうとします。

アザリアのメンバー 

 NHKが以前、知人の保坂嘉内への恋心があったとの説をとりあげた番組(ETV特集「宮沢賢治 銀河への旅〜慟哭(どうこく)の愛と祈り〜」)を放送していました。なかなか挑戦的な番組だったと思います。素人の私なんか番組を見て「あ〜そうか、それならわかる」と腑に落ちた点がありました。
 そういえばジョバンニがカンパネルラにやきもちを焼くシーンがありました。それにしても知れば知るほど謎が深まる人のように思えます。

早池峰山が見える

 駐車場に戻ると早池峰山が見えました。再びタクシーに乗って(レストラン山猫軒に呼び出しの直通電話あり)花巻市街へ。12時半から予約がとれた「やぶ屋総本店」へ行きました。宮沢賢治もこのお店を「ブッシュ」と呼んでよく訪れ、天ぷらそばとサイダーをよく頼んでいたとか。

やぶ屋総本店店構え

 知らなかったのですが、花巻はわんこそば発祥の地なのです。前の人が終わるのを待って、いよいよ「わんこそば」挑戦です。周りは若い女性グループやカップルで、私みたいなおじさんは挑戦しないようです。給仕の女性も若い人にはおわんのふたをする前に素早くそばをいれますが、私たちには優しかったです。(ちょっと意地悪してほしかった(笑))

わんこそば やぶ屋総本店

 結果は60杯で「小結」でした。まあ思いで作りです。

 この日の宿泊は鉛温泉「藤三旅館」です。ここは宮沢賢治も親戚の関係でよく訪れていたそうです。
 実際のところ鉛温泉は宮沢賢治の「なめとこ山の熊」に出てきて、田宮虎彦の「銀(しろがね)心中」の舞台にもなっています。のちに監督・新藤兼人、主演・音羽信子で映画化もされていてアマゾンプライムで見ることができました。最近では映画「海街diary」のロケ地にもなっていました。

鉛温泉 藤三旅館

 なめとこ山の熊のことならおもしろい。なめとこ山は大きな山だ。淵沢川はなめとこ山から出て来る。なめとこ山は一年のうち大ていの日はつめたい霧か雲かを吸ったり吐いたりしている。まわりもみんな青黒いなまこや海坊主のような山だ。

なめとこ山の熊

 なめとこ山の熊の冒頭部分です。とにかく不思議な文章を書く人だ。

 藤三旅館の呼び物はなんといっても立って入る風呂としては最も深い自噴式の温泉です。風呂場の扉をあけると階下に至る階段があって、真ん中に一つ大きな浴槽があります。(撮影は許可制です。ポスターで勘弁を)

鉛温泉 藤三旅館 白猿の湯

 階段を下りて行って服を脱ぎ、浴槽に入ると「深い…」首までどっぷり浸かります。足元からお湯が勢いよく噴いています。独特の浮遊感というか、経験したことのないなんとも不思議な気持ちで天井を見上げると3階分の吹き抜けになっていて、遠近感を失ってそのままどこかへ連れて行かれそうな不思議な気持ちになりました。

晩御飯

 旅館そのものは歴史あるというか古い設備ですが、全体的によく掃除されていて、従業員の方々も気持ちのよい方ばかりでした。晩御飯は白金豚のしゃぶしゃぶがおいしかったですね。日本酒の七福神、遠野のどぶろく(開拓と開花)とお酒もすすみました。

岩手銀行赤レンガ館

 翌日はホテルのシャトルバスで花巻まで出て、在来線で盛岡に移動です。盛岡ではまず岩手銀行赤レンガ館を見ました。ここが2012年まで使用されていたとは驚きです。

石割桜

満開の石割桜

 歩いて満開の石割桜を見て、駅近くの店「不来方(こずかた)じゃじゃ麺」でじゃじゃ麺を食べました。じゃじゃ麺のイメージが変わる美味しさでした。写真は早く食べたくて写真を撮る前にひとかき混ぜしてしまいました。すみません。
 16時過ぎの新幹線で帰路につきました。上野の「よし寿司」で寿司を食べて帰宅です。

不来方じゃじゃ麺 盛岡

 宮沢賢治のゆかりの地をいろいろと巡って楽しかったです。わんこそばと鉛温泉をプラスして肉付けした感じですが、結果的に良かったと思います。盛岡も桜が満開で石割桜がとてもきれいでした。またどこかへ行きたいものです。たまには普通の旅もいいものです。


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ぽこねん

よっ‼︎小結^ ^
わんこ・温泉・桜・・・盛り沢山の旅ですね
by ぽこねん (2024-04-19 18:52) 

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