平ヶ岳は日本百名山の中でも「日帰り最難関」と言われている。宿泊施設がなく原則テント泊禁止であることから、標準コースタイム12時間、標高差1300mを上り下りすることになる。さらにアプローチも難度か高い。マイカーならまだしも公共交通機関で移動するとなれば前夜泊が必要となる。



今回のアプローチは新幹線で浦佐まで行き、シルバーラインを走る路線バスで奥只見湖まで行き、そこから遊覧船に乗って尾瀬口まで行って、接続しいている会津バスに乗って、鷹ノ巣まで。長〜い!けど、道中いろんな人との出会ってお話をして楽しい思い出となりました。



清四郎小屋のキャンプ場はこの日は私を含めて3グループ。

翌朝はキャンプ場にテントなどをデポして、月明かりの中、午前3時40分に出発しました。4時に登山口通過し、20分ほどたつと山道に入りました。なかなかの急登ですが、気温が高くないので助かります。暗い中やせ尾根を通過しますが、トラロープに助けられながら高度を上げていきます。





燧ケ岳の存在感出してます。5時半頃に下台倉山に到着。そこからしばらくは平たんな道です。





池ノ岳への登りは溝状になっているところが多く、段差がないようスタンスを求めていきます。やっと池ノ岳に着くと待ち構えていたのが、青空が映る池塘でした。これまでの苦労が報われました。



ここから急に登山者が増えました。プリンスルートという現在の天皇陛下が登山するときに利用した民宿宿泊者専用のルートがあってそれなら往復6時間半ほどで頂上を往復へいけるのだ。



あまりゆっくりもせずに平ヶ岳へ。もう頂上付近は草紅葉となっています。頂上はやぶの中のぽっかり空いた藪が払われたところがあって標柱がたっています。男女のグループと頂上で写真を撮りあって、次にたまご石へ。



さっきまで青空バックにたおやかな姿をみせていた平ヶ岳は、雲が湧き出してきて今にも隠れようとしていた。

その後池ノ岳で行動食(無印良品のチャイなんとか)を食べて、下山に取り掛かる。標準タイムよりだいぶ時間短縮してきているので、もう帰りのバスに間に合うだろう。そこからとにかく下りるが太陽も上がって消耗する。何人かに抜かされるが、みんな元気だなあと思う。



 平ヶ岳は池ノ岳の池塘がなければ「やってられない」山だと思う。深田久弥も苦労ゆえにこの山を評価しているように思う。確かにアプローチは電車、バス、船、またバスと乗り継いだ「旅」でした。独り身となってから旅を続けているという女性など、出会った人たちも思い出深いです。

 さらに恋ノ岐川の沢登りか、残雪期に尾瀬から山スキーで縦走すれば、平ヶ岳登山はもっと充実するでしょうね。

■平ヶ岳 2023/9/3
平ヶ岳登山口(4:00/9:00)平ヶ岳(9:05/9:40)たまご石(9:45/14:11)平ヶ岳登山口