クワウンナイ川4 トムラウシ山でへばりました [北海道・クワウンナイ川 2008夏]
クワウンナイ川の遡行を終え、第2の目標はトムラウシ山への往復です。トムラウシは日本百名山にも選ばれている北海道を代表する、しかしなんとなく最果ての土地の山という感じがします。この機会を逃すと二度と行く機会はない!断言できます!
南アルプスの北岳を登るならバットレスから登るのが最もふさわしい(と思う)ように、トムラウシを登るならクワウンナイ川を経て登るのが最もふさわしいでしょう。山にはそれぞれ、その山に合った「ふさわしいルート」を備えていると思うのです。
パートナーはもう疲れてトムラウシをあきらめ、きょうの幕営地のヒサゴ沼を目指すとのこと。僕は気合を入れて、単独でトムラウシをピストンすることにしました。ナップサックに水と行動食とカメラを入れて出発。クワウンナイ川から上がった縦走路から見えるピークがトムラウシだと思っていたのですが、なんのことはない、だらだらとしたピークを何回も越えていきます。北沼に着いてようやくトムラウシのピークが近づきました。でもロックガーデンは岩の上を乗り越えていくので、疲れた体にはつらいです。
ようやくトムラウシのピークに立ちました。体力の消耗が激しくて、行動食のチョコレートやビスケットを貪り食います。こんなに夢中でメシを食ったのはいつ以来だろう?身体が栄養を欲しているのを感じます。「ウオー」と叫ぶ。「野生」一歩手前の心境です。
人心地着いてまわりを見回す余裕ができました。誰もいないピーク。北海道の見知らぬ山々が雲の上に浮かんでいます。40歳を超えてこんなに遠くの山に来るとは夢にも思わなかった。僕はよくやってる方なのか、たいしたことないのか、なぜ登ってるのか・・・
北沼越しに旭岳がはるかかなたに見えました。ここから元来た道を戻ります。天池を越えて、ヒサゴ沼への分岐点でほっとしたのもつかの間、雪渓のくだりに不安になりました。ここは道がわかりにくかった。湖畔沿いに歩くとヒサゴ沼避難小屋に着きました。
パートナーは小屋の中でグーグーいびきをかいていました。僕もあまりの疲れに何もする気がわきません。こんなに疲れたから時間がたつにつれて、うれしさがジワジワとこみあげてくる。我ながら「やっぱりMだなあ」と思う。
◆1日目:入山(10:00/16:10)カウン沢出合 2008/8/22
◆2日目:カウン沢出合(5:30/11:50)縦走路(12:05/13:20)トムラウシ(13:40/16:10)ヒサゴ沼避難小屋
◆ヒサゴ沼避難小屋(5:10/11:50)天人峡温泉
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