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美ヶ原「世界の天井が抜けた」展望がよくって [東京での登山と日常]

 登山をやっている方にしてみると「なんだ、美ヶ原か」と思われるかもしれません。あまりにも簡単に行けるところなので、私も「どうしたものか」と思っていました。決心がついたのは、三城(さんじろ)から百曲りコースを登った尾崎喜八という人の文章が印象的だったからです。

三城からはしばらく渓流沿いの道

 登山口となる三城は公共交通のアクセスがありません。今回はレンタカー使用です。朝5時半ごろに到着して6時出発です。最初は渓流沿いの道です。

百曲りコースはよく整備された道だ

 やがて百曲りコースに入ります。登山口から500メートルくらい登るのですが、道がつづら折れになっているからか、あまり急登な気がしません。よく整備された道です。だんだん南西の展望が開けてきました。下は御嶽です。

御嶽が見えてきた

 続いて中央アルプス。天気が良い時を選んで正解でした。

中央アルプスと思う

 さて冒頭に尾崎喜八さんの詩が今回の登山のきっかけになったと書きました。Wikipediaによると尾崎喜八さんは東京・築地生まれの詩人です。

登りついて不意にひらけた眼前の風景にしばらくは世界の天井が抜けたかと思う。やがて一歩を踏みこんで岩にまたがりながら、この高さにおけるこの広がりの把握になおもくるしむ。無制限な、おおどかな、荒っぽくて、新鮮な、この風景の情緒はただ身にしみるように本原的で、尋常の尺度にはまるで桁が外れている。


空が開けてきた

 空が開けてきて、やがて台地の端っこに到達すると、突然広々とした風景が広がリます。
 「世界の天井が抜けた」瞬間です!

空が大きい!向こうの山は八ヶ岳

 上の写真は八ヶ岳。下の写真は槍穂の稜線です。緑の向こうに見える様はどこかヒマラヤのようです。

槍穂が草地の向こうに顔を出している。ヒマラヤみたいだ

 せっかくなので尾崎喜八さんのプレートがあるという「美しの塔」も訪れてみました。この辺りから観光客もちらほら見かけるようになり散策を楽しんでいます。

美しの塔

尾崎喜八の「美ヶ原」プレート

 放牧の牛たちも気持ちよさそうです。昨日は雨だったそうなので、今朝は日差しを浴びて気持ち良いでしょうね。

放牧の牛たち

 乗鞍岳が見えました。眼下の町は松本です。

乗鞍岳

 美ヶ原の一番高いところは王ヶ頭です。ここには王ヶ頭ホテル(シャトルバスも運行している)と長野の放送局の電波塔が林立しています。なるほどここなら電波を飛ばすには良いでしょうね。景観的には台無しですけど。

王ヶ頭

 そこから王ヶ鼻まで行くとなんにも遮るものがありません。北アルプスの山々が間近にみることができます。

王ヶ鼻

 槍・穂高の稜線です。

槍穂アップ

 後立山の稜線もくっきりです。爺ヶ岳、鹿島槍、五竜…

後立山連峰も全部見える

 帰りは八丁だるみのコースで下りました。草地の道で足にも優しくあっという間に林道に出ることができました。
 世界の天井が抜けるかぁ…あんまり見れないよな。よかったなあ、美ヶ原。

■美ヶ原 2023/6/17
三城(6:00/8:10)王ヶ頭(8:10/10:00)三城
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