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佐伯邦夫さんの「豊穣の山」を読んだ [山の本、TVなどメディア関係]

 佐伯邦夫さんの2011年5月に出た本です。佐伯さんの新刊が出ればいつもすぐに買って読んでいたのに、なぜかなかなか読んでなかったのです。

 さて、今回はサブタイトルにもあるように「北アルプス北辺の低山紀行」です。越中の僧ヶ岳、大倉山、初雪山、黒菱山。越後の千丈峰、大ギラ、小ギラ。渋い…

 いずれも大きな山ではありませんが、富山県魚津の山岳会ならではの裏山的感覚で日帰りや1泊2日くらいの日程で行けるのですから、うらやましい限りです。

 とは言っても、そこは富山の山ですから、雪は豊富ですし、いったん天候があれると相当な吹雪かれようなんでしょう。

 大きく分けて越中と越後に分かれているのですが、後半の千丈峰の大ギラ、小ギラの探検的登攀が読んでいて楽しかったです。下の航空写真を見てください。スラブが見えますよね。倉谷の通過で試行錯誤を繰り返したりする様は、とても冒険心をくすぐります。

 自分で未開の山域を開拓するのは本当に楽しいでしょうね。それも自分なりのこだわりをもって、自分のスタイルで…

 あとがきで佐伯さんは2002年に難病の拡張型心筋症を発症していることを明らかにしたうえで、過去の山行を文章として表すことによって、もう一度「プレーヤーとして登場する機会が与えられる」としています。

 あまりにも地味な山域の紀行集かもしれない。でも佐伯さんのこれまでの本を読み続けている者にしてみると、少しでも多く「過去の山行」を本という形にしてほしいと願うばかりです。

◆関連エントリー
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山の本「富山湾岸からの北アルプス」佐伯邦夫





豊穣の山―北アルプス北辺の低山紀行

豊穣の山―北アルプス北辺の低山紀行

  • 作者: 佐伯 邦夫
  • 出版社/メーカー: 白山書房
  • 発売日: 2011/05
  • メディア: 単行本



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