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紅葉と雪の越後駒ヶ岳 駒の小屋で引き返す [東京での登山と日常]

 越後三山。八色あたりから見る越後三山は本当に格好がいい。一般的には日本酒の名前にもなっている「八海山」が有名だけど、登山としては日本百名山に選ばれている「越後駒ケ岳」が一番人気。天気が思わしくないと知りつつ期間限定のシャトルバスが枝折峠まで運行するこの時期に決行することにしました。銀山平キャンプ場で前泊というのも考えたけれど、前日から未明まで雨が降り続ける予報をみてテント泊の考えは却下。というわけで大湯温泉の銀泉荘という宿に泊まって登山当日を迎えました。

枝折峠から歩く 紅葉がきれい

 予報通り雨が結構降り続けるなか、シャトルバス始発の午前3時40分の便に乗り込む。こんな天気で山登りする人などいないのだろう、自分一人だった。枝折峠で雨具を着込みヘッドランプをつけて出発。シャトルバスは本来この季節にみられる「滝雲」現象を見るためのものだが、当然本日は現れないし、まだ真っ暗だった。6時前になって雨もやみ、ようやく周りを見回せるような明るさになったが、そのころから道端に雪が出てきた。そして登るにつれて景色はどんどん白さを増していった。

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 途中からは雪の重みで垂れ下がったブッシュが道を通せんぼして、雪まみれになりながら「雪払いラッセル」状態。年末のリトル比良でこんなことになったなあと思いだす。
 オーバー手袋と目出帽は持ってきていたけれど、ここまで積もるとは予想せずスパッツを持ってこなかった。雪が進入しないようにズボンと雨具の裾を絞る。

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 道は雪に隠れてしまっているが、わずかな凹地を見落とさず(自画自賛!)確実に前進していたが、小屋の手前と思われる斜面でとうとうわからなくなった。斜度がそこそこあるので、膝で一度雪面を押し沈めキックステップするようになってきた。ガスが出ていて視界が悪い。「ここまでか」と思ったが、もう5メートルほど上がって前方を長い間見つめているとガスの切れ間に黒っぽいスクエアな直線が見えた。「あれが小屋か?」と思ってなおも進むとまさしく駒の小屋だった。

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 駒の小屋に9時半。頂上は10時半をリミットと考えていたのだが、小屋手前の斜面での逡巡を考えると時間的に厳しい。さらにラッセルが深くなるにつれて、ズボンの裾がまくれ、靴の中に雪が進入してきた。何度となく裾を直すが、直す間隔は短くなる一方だ。さらにガスで上部は見渡せず。帰りのバスが15時なのでそれを逃すのは避けたかった。というわけで割と自然に引き返すことを受け入れた。

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 下っていると、登ってくる人から「トレースに感謝」されるが、「小屋で引き返した」と聞くと、みんな複雑な顔をしていた(笑)。帰りはゆっくり下っていたら、12時ごろから急激に天気が回復してきた。紅葉がとてもきれいだ。それに荒沢岳が正面に見えて、すごい存在感だ。こんな山知らなかったなあ。

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 駒ケ岳が最後までガスに頂上を隠していたが、小屋から頂上までどれくらいだったのだろう?あとわずかだったのは間違いないんだけど。

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 バスの代わりに15時にタクシーが来て、自分も含めて2人だけの乗車となった。もう一人の方は11時ごろに小屋に着いて、そこからラッセルして頂上まで行ったそうだ。するとトレースを待っていたかのように後続者が頂上に登ってきたそうだ(笑)。2人で苦笑する。まあいつの時代にもある話です。自分も他人のトレースを当てにするときもあるし。

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 というわけで、越後駒ケ岳の頂上は登れずでした。が、なかなかいい経験になりました。反省点はやっぱりスパッツです。持ってきて足回りに不安がなければもっと積極的な判断ができたでしょう。最近「スパッツがなくてもオーバーズボンでなんとかなるもんだ」と思っていましたが、それはラッセルがない「やわいハイキング」をしていたからですね。身体全体を使って登るラッセルはやっぱりスパッツは欠かせません。再認識した次第です。

 越後駒ケ岳は残雪期のバックカントリーは昔からプランとして考えていましたが、無積雪期に荒沢岳から縦走するというのも良いかもしれません。課題として残しましたが、また別の山行プランを考える楽しみができた、と前向きに考えます。

■越後駒ケ岳(駒の小屋まで)2023/10/22
枝折峠(4:30/9:30)駒の小屋(9:45/13:50)枝折峠

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