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Galibierガリビエール ヘルメットを買い換えました [クライミングを復活させたい]

ガリビエールのヘルメット

 ガリビエールの白を愛用してきました。しかし顎紐の部分の皮がむけてきました。今のヘルメットは2代目で、とっくに劣化していると思うのですが(^ ^)、まあよく使いました。

ガリビエールのヘルメット

 買い換えたのはグリベルのステルスです。梅田第4ビルのロッジ、夏山セールで9,622円(税込)でした。

グリベルのヘルメット

 フィット感は素晴らしいですね。冗談ではなく本当に被っているのを忘れてしまいそうです。この感覚はガリビエールの時には得られませんでした。ステルスは軽いし、先日の沢登りでも頭が全然蒸れませんでした。キャップのような帽子もかぶれます。

グリベルのヘルメット

 やっぱり新しいものっていいですね。進化しているのを感じます。


Grivel(グリベル) Stealth (ステルスヘルメット) GV-HESTE チタングレー TGRY

Grivel(グリベル) Stealth (ステルスヘルメット) GV-HESTE チタングレー TGRY

  • 出版社/メーカー: マジックマウンテン
  • メディア: その他



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トレイル・ランナー トラブルとなっていたようです [クライミングを復活させたい]

トレイル・ランナーに注意喚起の看板

 生駒の緑の文化園を散策していたら、写真のような看板がありました。十分、共存できる関係だと思うのですが、ちょっと配慮がなかったようですね。

 この日は3人のランナーが追い越して行きましたが、追い抜く際に「すみません」と申し訳なさそうに言っていました。一言で随分印象が変わりますよね。

 山は登山者よりランナーの方が多い時があります。若い人やアスリートの感覚を味わいたい人は、トレイル・ランナーを選択したくなるのもわかります。自然に囲まれたところを走るのって気持ちいいですものね。

 うまく上手にお付き合いしていきましょう。

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栗城史多さん 亡くなるとやはり寂しい [クライミングを復活させたい]

 栗城史多さんがエベレストで亡くなりました。エベレスト8回目の挑戦でした。亡くなる前日まで7,400mのエベレストから「感謝しながら登っている」との声を送っていて、それが最後の「共有」になってしまいました。

 最初に彼の「登山」を知ったのは、2010年のNHKの番組でした。世間の評判の高まりに反して困惑した覚えがあります。彼の「登山」に関しては「本当に登る気があるのかしら」とたびたび私も思ってきました。胡散臭いものを感じながら、一方で彼の動向が気になってネットを見たりしていました。

 スポンサーがついたり、テレビの番組ができたりアピール度は抜群でした。しかし近年のエベレストは「辞めどきをなくしてしまっている」ように感じました。あまりにも計画性がないからです。誰か止められる人はいなかったのでしょうか。

 twitterに大学時代の栗城さんのエピソードが書き込まれているのを見ましたが、本当に変わった人です。「バカなやつだ」と嘲笑するか、一緒になってバカな夢を見るか、なんでしょうね。だまされたと思うかどうかも人それぞれということかもしれません。

 栗城さんは、いわゆる「登山家」ではなく、自己表現の場が山だっただけではないかと私は思っています。それで勇気づけられる人、元気づけられる人がいるならそれでいいと思います。

 だけどやっぱり死んだらダメだと思います。

 とにかくこれだけ議論の的になる人もそうそういません。人が亡くなるとやはり寂しいものですね。登山史としては記録に残らない挑戦だと思いますが、多くの人の記憶に残ったのは確実だと思います。

 ご冥福をお祈りします。

■関連エントリ
栗城史多さんのエベレストとイモトさんのマッキンリーをみました(2016/1/17)
NHK「7サミット 極限への挑戦」を見た(2010/1/24)
タグ:栗城史多
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馬目弘仁さんインド・ヒマラヤ報告会 [クライミングを復活させたい]

馬目弘仁

 クライマーの報告会は「どうせ大阪ではやらないものか」と拗ねていましたが、グランフロント大阪の好日山荘さんが馬目弘仁さんの報告会をすると聞いてすかさず応募しました。

 好日山荘のマウント・ラボというイベントスペースは限りなくオープンなスペースで、立ち見を覚悟するならはっきり言って、応募せずとも全く大丈夫でした。それでも13時半からの受付直後から椅子を確保している人がいて、高揚感が伝わって来ます!

 馬目さんは福島県いわき市出身で1969年生まれのもうすぐ49歳。高校から山岳部に入り信州大学時代に社会人クラブで山登りを本格的にはじめました。

 イベントで紹介された海外遠征だけでも「グランドジョラス北壁」「フレネイ中央岩稜」「クスムカングール」「バギラッティⅡ峰」「メルー」「テンカンポチェ」「キャシャール」「ランタン・リルン」「カンテガ」と目も眩むような登攀ばかりでした。「キャシャール」がピオレドールをとったのはあまりにも有名です。

 去年秋に遠征したインド・ヒマラヤの「ダラムスラ西壁」は悪天候に悩まされたそうで、結局ダラムスラ近くの岩塔を1泊2日でアタックします。パートナーは上田幸雄さんと黒田誠さん。平均年齢47歳のパーティーです。



 40分とちょっと長いので、悪天候に悩まされるところは端折って最初から20分ごろから上映されました。あまりにもスタスタ登っていくので簡単そうに見えるのですが、きっと難しいのでしょうねえ。それと最後のボルダリング(!)は見ているだけで、息がつまりそうな気分になりました。

 馬目さん、とてもいいですね。同年代なのに山のことをすごく楽しそうに話していて、とても羨ましく思いました。

 馬目さんのように登山するのは難しいでしょうが、今からでも自分の人生を創造することができればいいなあ…というか、できるように「挑戦」することが大事なんだろうな、と帰りの電車の中でぼんやり考えてしまいました。

 やらなくちゃ…


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モンベルの冬用ジャケット&パンツを買ってしまった [クライミングを復活させたい]

モンベルのストリームジャケット

 一体いつまで登るつもりなのか?はたまた登れるのか?はなはだ疑問ですが、30年近く使っていたノース・フェイスの冬用ジャケットのサイズが合わなくなり(^^;)、またいよいよ内側の生地が破れたので、買い換えることになったのです。

 色々と考えたのですが、結局はコスト・パフォーマンスが良いと思われるモンベル社で検討。少しでも安くと、鶴見のアウトレット店へ行きました。

 「年末年始に八ヶ岳などに行きます」と話すと、「では中綿のないのがいいですね」「一番丈夫なのはストリーム・ジャケット」「軽くて擦れそうな所は生地を当てているのがダイナアクション」「入門的なのはフレネイ」と言われました。少し迷いましたが「どうせなら」とストリーム・ジャケットにします。パンツもアルパインパンツにしました。2つ合わせて48,200円(税抜き)でした。

 年末の比良で試しましたが、行動中は全く不安なしでした。これまで窮屈なジャケットでしたので、快適に身体を動かすことができました。もう少し過酷な雪山で試してみたいです(^^)



mont-bell モンベル ストリームジャケット〔Men'sJKT〕 (SIRD):1102450



mont-bell モンベル ストリームジャケット〔Men'sJKT〕 (SIRD):1102450

  • 出版社/メーカー: mont-bell
  • メディア: その他



(モンベル)mont-bell アルパインパンツMen’s 1102415

(モンベル)mont-bell アルパインパンツMen’s 1102415

  • 出版社/メーカー: mont-bell(モンベル)
  • メディア: ウェア&シューズ



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「考える登山者」の育成を…那須の雪崩遭難事故報告書で思うこと [クライミングを復活させたい]

 栃木県の那須岳で今年3月雪崩が発生し、「春山」講習会に参加していた高校生と顧問の合わせて8人が亡くなられました。この事故についてはこのブログにも以前に掲載したことがあります。

 事故の原因を発生直後から栃木県教育委員会の第三者による検証委員会(国立登山研修所の専門調査委員3人を含む)が調査を進め、10月15日に報告書をまとめ発表しました。

 報告書では、学校登山であることから「安全」が第一であり、事故を教師の個人義務に矮小化せず、教育的安全配慮義務として、学校組織体としての組織義務として捉えています。
 事故の原因は複合的で、読み解くのも難しかったのですが、主だった点を以下に列記してみました。

▼根源的かつ最大の要因は主催者である県高体連登山専門部の「計画全体のマネジメント及び危機管理意識の欠如」
・スポーツ庁は高校生の登山は通常12月から2月の冬山登山を原則禁止としている。今回「春山」「講習会」として登山しているが、これは「冬山状態」であることを講師等が直視する目を鈍らせ、事故の遠因となったこと。
・講習会全体の責任体制が整備されていなかった。
・降雪による計画変更についても十分な検討がされなかったこと。過去の雪崩の事例が共有されないままだった。
・班構成における生徒と講師の所属が一致せず、講師が統率力を発揮できなかった。特に一番先頭のグループは、生徒が「もっと登りたい」旨の意向に教師が引きずられた格好だったこと。
・講習会本部は常に無線を携帯せず、また寒さによる携帯電話や無線機のバッテリー切れがあったこと。調査委は発生直後の本部について「役割と機能が全く果たされておらず」「安全への配慮が著しく希薄」であったと厳しく指摘しています。
・保護者等の連絡先一覧が作成されておらず、連絡体制も未整備だったこと。
・ビーコンやプローブを装備せず、シャベルも常に携行していなかったこと。

▼県教育委員会等による「チェックや支援体制の未整備」
・登山計画審査会の審査対象になっておらず、県教委によるチェックはなかった。

▼講師等の雪崩の危険に関する理解不足「個人の資質」
・新雪が積もったばかりであったこと。
・7年前の雪崩事故など過去のヒヤリハット事例が共有されていなかったこと。また気象の情報収集が不十分であり、講師等の雪崩に関する理解が不足していたこと。
・背景として教員の多忙や生徒の減少により、登山部顧問の成り手が少なくなり、顧問の経験が継承されていないこと。

▼背景的な要因として「正常化の偏見とマンネリズム」
・春山講習会は伝統的行事であり、マンネリズムによる陥って「慣れ」があった。

 最後の「マンネリズム」は、実はありそうなことだなと思います。「定例合宿」などは危険が迫っているにも関わらず、「毎年やっていることだから」と判断が鈍る経験は誰しもあるのではないでしょうか。

 報告書には提言も含め、コンプライアンス的な見地から多くのことが書かれていて、全てをやるとなると大変な作業になるでしょう。尊い命が犠牲になっているのですから当然といえば当然ですが、正直なところ「そこまでできるのかなあ」と思ってしまいます。

 また学校登山で生徒に何を学んで欲しいかが、あまり書かれていないなと思いました。実は報告書(本文)の中で、一番頷いたのは次の一節でした。

安全な登山を実施するという観点からも、雪山の危険性を学ぶ必要性は大きい。危険性を強調するあまり冬山登山を全面的に禁止してしまうと、安全な登山に関する技術を習得する場が失われることにつながり、かえって危険性が増すことになりかねない。高校生の冬山登山については、原則的には禁止としつつ、教育上の観点から例外的に実施する場合は、地域差なども考慮して、各都道府県単位で安全性確保のためのガイドラインを策定する等事故を未然に防止するための手段を講じるべきであろう。

 
 次世代の登山者を育てる意味で、冬山(雪山)登山の必要性を指摘しているのです。

 春山講習会もラッセル訓練も、大きな雪崩が起きない樹林帯の低山でもできるのでないか、と私は思います。雪の上でテントを張って、自分たちで気象を検討して、晴れればラッセルして頂上を目指す。登れれば楽しい思い出ができます。登れなければ「なぜ登れなかったのか」を考えます。体力の問題なのか、技術が不足していたのか、装備の問題なのか、天候判断の問題なのか、パーティシップの問題なのか、そもそも計画に問題があったのかなど考えるのです。

 時間はかかりますが「考える登山者」の育成こそが、学校登山の目的ではないかと思うのです。


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1981年チベット・シシャパンマ女子隊の秘話 [クライミングを復活させたい]

 北村節子さんといえば田部井淳子さん率いる1975年の「エベレスト日本女子登山隊」に参加した最年少メンバーであり読売新聞社の記者です。

 彼女は80年秋にチベット西部のシシャパンマ(8,012m)の偵察行にも田部井さんに誘われた形で参加しました。その際に田部井さんは「雪男」と遭遇し、田部井さんと北村さんは「足跡」も見つけたというエピソードを持ちます。(「雪男は向こうからやって来た」より 著:角幡唯介)

 その北村さんが81年のシシャパンマ本隊に参加した時のことを「チベット幻の山へ 8012メートル峰、頂上の旗」という小文にまとめていました。

 この時は北村さんは副隊長になっています。ご本人も言っていますが、よほど田部井さんと「ウマがあった」のでしょう。

 田部井さんと協力員リーダーは最終キャンプから頂上アタックします。そして4月30日に登頂に成功しました。秘話はそこから始まります。

(ここから引用)
 帰国後、頂上写真を現像して、あっと絶句。登頂証拠として貴重なその1枚。田部井さんが掲げる日の丸と五星紅旗。なんと、中国旗が上下逆なのだ!
(ここまで引用)

 旗を結んだのは協力員リーダーでした。もちろん当時はデジカメはありません。旗の上下逆さまの重大さは、わかる人にはわかるでしょう(^ ^)

(ここから引用)
(中略)いきさつを知ったカメラマンのO氏が「任せろ」と極秘任務を買って出てくれたのである。手練れの腕で、修正は見事に仕上がった。

 登山界では頂上写真に手を加えるなど大反則。が、ことは国家の名誉、それにレンちゃん(注:協力員リーダー)の処遇にもかかわりかねぬ。登頂を捏造しているわけではないのだから、と、ここに田部井・北村とO氏の「秘密」が成立。提稿、報道発表がクリアできた。
(引用ここまで)

 旗を結んだ協力員リーダーとはその後思わぬところで再会したというエピソードも盛り込まれています。

 もう時効ですよね。当時の社会情勢も伺えてとても楽しいエピソードでした。そして田部井さんが亡くなった今となっては、ちょっと哀しい気持ちになりました。「秘密話」に田部井さんの少女みたいな笑顔が眼に浮かぶようでした。


雪男は向こうからやって来た

雪男は向こうからやって来た

  • 作者: 角幡 唯介
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2011/08/26
  • メディア: 単行本



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上高地の風景 何度見ても素晴らしい [クライミングを復活させたい]

上高地の河童橋の風景

 久しぶりに上高地へ。これだけ整った風景も珍しいと思うのです。とても素晴らしい風景です。芥川龍之介の時代には、きっともっと神秘的なところだったのでしょうね。

 北アルプスの焼岳に登ってきました。先ほど帰ってきたばかりです。報告は後日。

YAMAP(スマホ)の行動記録はこちら
https://yamap.co.jp/activity/901884


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dマガジンで「山と渓谷」 ウルトラライトな登山用具 [クライミングを復活させたい]

 もうだいぶん前からなのですが、dマガジンに契約しタブレットやスマホで見ています。月額400円(税抜)です。書籍の山と渓谷が952円〜なので、それだけでも「元は取れる」と思っています。

 山と渓谷、ビーパルなどのアウトドア系だけでなく、週刊文春などの総合週刊誌やファッション誌など普段は買わないような雑誌まで見ることができるので、気に入っています。

 さて山と渓谷の4月号は特集が「最新「軽・快」登山マニュアル」でした。特集では、心拍数を一定にして登山する実験を通し、重い荷物は体への負担が大きいこと、速く登ることは快適でもあることから軽量化のメリットを説いています。

 軽量化の実践としてトランスジャパンアルプスレース参加者の松浦和弘さんの装備が参考になりました。初夏に金峰山〜甲武信ヶ岳の縦走として考えたとのこと。

【ウェアその他 2479g】帽子51g、時計83g、ネックゲイター・バラクラバ46g、下着(上下)78g、シャツ・アームカバー196g、ハーフパンツ・カーフレングス71g、ウインドシェル110g、レインウェア(上下)341g、グローブ30g、ソックス38g、トレランシューズ(ペア)770g、サングラス30g、防寒具(上下)382g、着替え(シャツ、下着、ソックス、パンツ、スタッフバッグ)253g
【行動用具 1472g】ザック最大30l・防水袋530g、ストック314g、ヘッドランプ・ハンドライト・予備電池142g、地図・行動計画表・マップケース47g、コンパス16g、スマホ・予備バッテリー191g、熊避け鈴14g、シャープペンシル7g、ナイフ21g、ティッシュ28g、水筒(ペットボトル900ml×2)66g、折り畳み傘96g
【幕営用具その他】ツエルト・マット・シュラフなど916g、調理器具・ガス355g、ファーストエイドキット168g、水・ポカリスェット1800g、食料(調理用食料、行動食、予備食、非常食)1916g、その他(財布、カメラなど)528g
【総重量】9634g(!)


 松浦さんはスピード化が図られ通常2泊3日のコースを1泊2日で終えてしまったとのこと。ツェルトの使用で幕営用具が1Kg未満なのは驚きですね。何を重視するか?何を犠牲にするか?どこに行くのか?天気はどうか?安全性をキープしながら軽量化を考えるのは楽しいです。

 スピードは登山で重要なファクターだと思います。良い天気を見計らって一気に縦走するスタイルは理にかなっていると思います。

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那須・雪崩事故 学校教育での登山が問われている [クライミングを復活させたい]

 那須のスキー場上部の斜面で起きた雪崩が、栃木県の高校山岳部の合同訓練のパーティーを襲いました。その結果7人の高校生と引率の教師1人の合わせて8人が死亡しました。あまりにも大きい犠牲に呆然としてしまいます。謹んでお悔やみを申し上げます。

 合同訓練の責任者の高校が警察の家宅捜索を受けるなど、事故原因の究明がなされようとしています。またスポーツ庁が、学校登山の実態を調査する方針を示すとともに、改めて高校の山岳部に冬山登山をしないよう通知を出したということです。

 私は高校、大学と山岳部にいました。高校時代はインターハイに出るようなレベルの高い高校ではありませんでしたが、当時から冬山登山は「登らない」方針であったと記憶しています。ですから春休みは残雪を求めて、京都の北山や鈴鹿へ行っていました。シリセードで滑ったり、わざと倒れ込んだり、雪合戦したりして、夏山以上に楽しかった思い出があります。

 大学では先輩に連れられて、岩登りや沢登り、冬山に行きました。年中登山をしていました。しんどいこともありましたが、登山を重ねることで、人間として成長しているように思うこともありました。

 今回の雪崩事故で亡くなられた生徒さんの遺族がインタビューに答えられていました。非常に胸が詰まりました。泣きそうになりました。こうした残される人たちのことを忘れて登山してはいけないと改めて思いました。

 よく友人から「子供さんは山に登らないのですか?」と聞かれます。自分の子供はバスケットボールでよかった。高校や大学で「山岳部に入る」と言ったら、どうしようかと心配でした。山の厳しさを少なからず私は経験しているからです。

 高校山岳部では顧問の方の経験はどのように検討されるのでしょうか。「20年のベテラン」と言われていますが、年数だけで「経験」を計ることはできないと思います。「顧問だから経験豊富」と本当に言えるのでしょうか。

 大学山岳部は山に登ってたかだか3〜4年目でリーダーになります。自分の実感も含めていうと、この年数で登山のリーダーになるのは難しいというか、ある意味で無謀とも思います。最近では大学のカリキュラムが忙しくなって山行日数も減ってきていると聞きます。山行日数の多さで経験不足をカバーしていく大学山岳部の伝統も崩れようとしているのです。

 日本人は冒険の精神がないと言われた時代もあります。冒険と安全は相反するものと思われがちですが、知識と綿密な計画のもとで行う冒険は、無謀なものではないと思っています。引き返す基準、タイミングを持っていれば良いのではと思います。

 今回の事故でどうしてもわからないのが「雪崩の知識は十分だったのだろうか」ということです。暖かい日が続いた後に雪が30~50センチ降ったら、雪が落ち着くまで行動できないと思わなかったのでしょうか。

 その他にもあります。森林限界上の雪面が危なさそうだと思わなかったのでしょうか。ラッセル訓練は下部の樹林帯だけで行うことはできなかったのでしょうか。合同訓練でリーダーシップは曖昧なものになっていなかったでしょうか。

 猛吹雪の中の訓練は本当に必要なのでしょうか。昔の軍隊意識がなかったのでしょうか。この歳になるとわかります。吹雪の時に出かける必要なんかないんだと。天候の良い時に行くほうが、確実に生存率が高まります。気持ちの良い思い出が残り、また山に行きたくなります。

 学校教育現場で、命をかけて登山する必要はないと思います。登山は一生涯かけてできるスポーツです。みんながみんなヒマラヤを目指す時代でもありません。学校では登山の楽しみ、自然科学への探究心、自らに打ち勝つ精神力と体力を養うで十分ではないか。末長く登山を楽しむ人材を学校現場で基礎づくりし育成することが大事なのではないか。

 ビーコンなどの装備の問題や特定の教師の責任を問うだけではなく、今回の事故は、学校教育現場における登山そのものが問われているのだと思います。


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